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成果と書評 第100回「BANANA FISH」

こんにちは!
このnote100回もやってんのか。狂ってるな。

今年は余裕持ってやるぜ!と息巻いていた2024年、もうすでにスケジュールが詰まりつつあります。ありがた怖い。


今週のお知らせ

Amaretteの委託販売が7日から始まっております〜〜〜!!

毎度毎度丁寧に並べていただいて本当にありがたいですね……。

キュレーター側の好みもあると思うんですが、C/STOREの作家さんはカラフルなアイテムの方が多くて私も浮かないのでありがたいですね。

パステル!カラフル!って感じなので、仲間がいるぜ!って感じがして嬉しいです。

C/STOREで一緒に出してた作家さんと実際にイベントでお会いしてお話出来たりするのも楽しいな〜と思っております。

イベントに合わせて新色をオンラインショップにも追加しました。

お恥ずかしながら久々にminneを触ったらシリーズとかいう新しい機能が誕生していたんですがこれは一体????

ものは試しということで、いくつかまとめて見ましたので是非。
beads circleとか色違い探すのに便利かもしれない。

ついでにこの週末はクーポンも出ていたので是非。

一方どうぶつデパートですが、X,Instagramともにこれからのイベント予定をプロフィールに固定しております!

そんでもって固定した後なんですが、博物ふぇすてぃばるへの参加が決まりましたのでお知らせです〜〜!

7月20日の土曜日だけなのですが、今回は汐夏さんと合同で出させていただきます!
合同スペースちょっと憧れてたので嬉しいな……

汐夏さんにお誘いいただいて出ることになったのですが、せっかくの専門分野祭りということで鳥さんに挑戦してみようと思っております……。
果たしてやれるのか、頑張ろうな。

書評「BANANA FISH」

1985年、ストリートキッズのボス、アッシュはニューヨークのロウアー・イースト・サイドで、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。男は「バナナフィッシュに会え…」と言い遺して息を引き取る。ベトナム戦争で出征した際、麻薬にやられて正気を失ったままの兄グリフィンの面倒をみていた彼は、兄が時々つぶやく「バナナフィッシュ」と同じことばを聞き、興味を抱いた。殺された男を追っていたのは暗黒街のボス、ディノ・ゴルツィネ。アッシュは男と最後に接触した者としてディノに疑われる。雑誌の取材でアッシュと出会った、カメラマン助手の英二も巻き込んで事件は思わぬ展開を見せ…。

https://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=1038

誰もが知っているであろう大名作「BANANA FISH」でございます。

私が唯一思い出しただけで号泣できる作品です。
リアルタイムで読んでいたわけではなく、丁度アニメ化が決定したぐらいの時期に色んな人が騒いでいるのを見かけて「そんなに名作っていうならアニメになる前に読んでおくかな……」と軽い気持ちで読み始めたのがいけなかった。

・一気読みする時は週末に
・出来ればその後も有給が取れるくらいの余裕を持て
・ハンカチ片手では足りないので常にバスタオルを横に置け

などのアドバイスを横目に見つつ「何をそんな大袈裟な」と思っていたのですが、全部正しかったです。
何なら私は読後1週間くらいは何も手につかなかったような気がするし、今でも思い出しただけで泣いてるので気軽に勧められない作品でもあるんですが、読んでから自分の中の死生観が変わるくらいには影響が大きい作品だったのでまだ触れたことがない方がいたら、どこかのタイミングで触れてほしいな〜と思います。

もうだいぶ前に完結してる作品なのでガッツリネタバレ有りの前提で感想書いていこうかと思うので、完全未読の方は薄めで見てください。

今回は書きたいこと書く回だぞ。

個人的にBANANA FISH(以下BF)読む上での一番大事なことって「主人公はアッシュ」ということだと思うんですよね。

物語の冒頭は英二視点だし途中も英二視点が多いので、英二が主人公、もしくは英二とアッシュのW主人公と捉えられがちな部分があるんですが、吉田先生は「アッシュが主人公で、アッシュの物語」と言及してる。

そこをふまえた上で読むと一気に話が見えてくる作品でもあるわけで。

そもそも、BFという作品かなり難しい作品なので、アメリカの社会背景・マフィアと麻薬の繋がりと人間関係、など、さらっと流し読みできるタイプの作品ではないので、時間をかけてゆっくり読み解いていくタイプの作品なのですが、英二視点・アッシュ視点で物語の見え方が全然違うのが後々効いてくるのが手腕がすごい……と思います。

英二・アッシュ視点から見たオーサーやゴルツィネ、月龍は分かりやすく敵だけど、そこにシン・スウ・リンが出てくることによって月龍側敵サイドの人間性も見えてくる。

シン・スウ・リン
覚えましたか?シン・スウ・リン
私の推しです。

シンの話は後々しますので一旦置いておいて、BF時代背景もアッシュが置かれている環境もそうなんですが、あまりにも人の命の重さが軽すぎる。

軽すぎるけど、軽すぎる命にはあまりにも重い想いをかけている人々がいる、というのをこれでもかと見せてくるのがBFで、だからこそこの作品は少年漫画ではなく少女漫画なんだろうなと思う。

バトル漫画じゃないから命が散っても成長になるわけじゃない、人が亡くなったという事実がそこに残り、残された人々によってその後は進み、当然傷を負う者もいて、壊れてしまう者や巻き込まれてしまう者も出てくる。当事者じゃなくても一般人でも。
これを当たり前のように描写してるBFを掲載していた当時のflower恐ろしいな……。

これだけ人の命が軽く扱われる生と死が隣り合わせの世界でも、誰かと一緒に食べる朝食は美味しいし、不安な夜は一緒に眠れる相手がいると安心する。
そういうシーンも当たり前のように描写されながら、物語は進んでいくんですが、この時点で思い出してほしいのは「主人公はアッシュ」だということ。

これさえ頭の片隅に置いておけば、終盤でバスタオル握りながら嗚咽を漏らして涙でページを捲れなくなっても何とか自我を保っていられるのではないか、と思います。

ちなみに私は初読ではそんな余裕も無く、物語を咀嚼するのにものすごい時間がかかったので……(それもそれで大事な時間だったなと思うのですが)

ラストは未だに賛否両論あるんだろうなと思うのですが、私は吉田先生がそう描いたならそれが正解だと思ってる派の人間なので。

”死”は時によって救済にもなりうる

というのはかなり稀なパターンで、本来はそのようなことはあってはならないというのが大前提なのは重々承知な上で、でも世の中にはそういうこともある。

というのを、BFを読んで一番真っ先に感じたことなのですが、その後のアフターストーリー「光の庭」で「でも残された人間にとってはそれは本当にそうか?」というのを見せられてしまうので、洗濯したバスタオルをもう一度引っ張り出してくることになります。笑

「光の庭」は……本当に……ちょっと読み返すのにもかなりエネルギーを要するので……あれなんですが……
(既読勢みんなこんな感じだと思う)

「BF」本編はアッシュが主人公
「光の庭」は英二が主人公

これさえ覚えとけば大丈夫です。テストもバッチリ。
光の庭にはあえて言及しません。あれはもう感想を外に出すタイプの作品じゃないなと思っているので、読んだ人それぞれの心の中に留めておくのが正解なのかなと思っています。

そしてBFにも光の庭にもずっと出てくる男、シン・スウ・リン。
アッシュに出会ってしまったがために全てを狂わされた男。

私は英二よりも誰よりもシンが一番アッシュに出会ってしまったから人生が大きく変わってしまった人間だと思っていて、一番影響を受けてる。

受けてるが故にその後の人生、ずっとアッシュの面影を探しながら生きていくことになる。

というシンの人生の断片を垣間見れる作品が!!!!
「YASYAー夜叉ー」と「イヴの眠り」です!!!!!!!

ということで実は時系列的に繋がっていて同じ世界線の作品、
「BANANA FISH」「YASYAー夜叉ー」「イヴの眠り」を続けて紹介したいと思います。

っか〜〜〜!!これがやりたかったんだ私は。
BF読んでる人でもイヴの眠りまで読んでる人そこまで多くないからさあ、シンのその後を多くの人に見届けていただきたく……(お前はシンの何なんだ)

シンがどれだけアッシュに影響されて生きていたかを、知っていただきたくこの3作品を紹介するにふさわしい機会を探っていたんですが、まあどうせなら100回目にやろう、というわけで誰も読んでいないであろうnoteを利用して好き勝手書かせていただいております。

シンが一番"巻き込まれた人間”なのに、一番”自分の意思でアッシュを追いかけてる人間”なんだよな。

BFの時は子供だったシンが光の庭では大学生になり、その後の作品ではもっと大きくなって……というところまで見せてくれるので、是非シンがアッシュの思想を追い続けた結果たどり着いた答えまで見届けて欲しいです。

正確には答えが出されているわけではないけど(メインで描かれてるわけじゃないから)道筋は見届けることが出来るので、シンのこともよろしくお願いします(だからお前はシンの何なんだ)

昨今色々あるのでメディア化の話題にはあまり触れたくはないんですが、BFはアニメもおすすめです。
これでもか、というくらい製作陣が豪華すぎるので……

内海紘子が監督して瀬古浩司が構成書いて林明美がキャラデザ手がけたものをMAPPAが作ってくれる世界線が確かに存在したんですよね、そこに……。

アニメ化決まった時の吉田先生のコメントが「私より絵が上手いです」だったの忘れられない、おもしれ〜原作者。

時代改変も服装などの変更もあるんですが、初見の人も分かりやすく見れるのはアニメかな、と思います。
アニメはW主人公で物語を見せてくれている感じ。
原作はあくまでも主人公はアッシュなので。

後は、構成の手腕がすごいのと、絵柄は変わっていても体型などのこだわりがものすごいので意外と原作と違和感なく楽しめるのがすごい。
でもよく考えたら内海紘子の作画に対するこだわりがすごい。

後はもう、声優さんの技量がすごい。
石塚運昇さんの遺作となってしまったのですが、リアタイ時に最終話が始まる前の追悼テロップで大号泣して画面が見えなくなってしまった人間なので……。

アニメ派の人も是非。

(舞台もあってね、水江健太くんのアッシュが本当に美しいからね、ご興味ある方はビジュアルだけでもご覧になって……でも2.5次元は人によって合う合わないがあるからご無理はせずに……)

あと、画集もあるんですけど手に入りにくいかもしれないので何とかして見てください(無茶)
最悪、図書館とかにもあるはず、多分。
公式画集と、期間限定で発売された「英二が出した写真集」がテーマの画集があるんだ。
どちらも片手にバスタオルを忘れずに。

以上、オススメというにはあまりにも有名な作品すぎて恐縮ですが想いの丈を書き記しておきたかったコーナーでした。

再来週まで続きます。笑

今週の余談

好きな作品のドラマ化が決定してしまい、最近色々あったものですから「好きな作品を人質に取られるってこういうことか!?!?!?」と取り乱した人間です。どうも。

普段ならメディア化が決定したところで実写に興味がなければそんなに気にすることもないんですが、たまたま「実写で見たい!!!!(ただし完璧なクオリティで)」というタイプの作品だったので、非常な複雑な想いでございます。

いやしかし、原作連載時から実際に作品に関わっていた方がプロデューサーを務めるらしいし(芸能界がテーマの作品なので)テレ東深夜枠だから……大丈夫……と信じたいが、4月スタートなのは……それは製作期間的に大丈夫なのか、とか、
まあどれも私が心配したところでどうにかなるものじゃないんですけどね!!!!!!ということで普通にTVerとかで見ると思います。元気なオタク。

それにしても最近漫画が原作のドラマとか映画、本当に増えたな〜と思います。
いや、私があまりドラマ見ないだけでオリジナル脚本も結構あるのか。

実家に帰ると常に韓流ドラマが流れているので、たまに日本のドラマの話数を確認するとビビる時があります。

韓流ドラマが多すぎるのか、プリパラぐらいあるもんね。(分かりにくい例え)

今週の猫

深夜に暴れ馬と化す猫、作業したい時はちょっと困るな〜と思っていたので、先日試しにyoutubeで猫用動画(じゃれて遊ぶ用の動画)を流して見たんですが、狂ったように食いついていてちょっと引きました。


立つな立つな

テレビはっ倒すんか!?!?!?という勢いで食いついていたので、手が離せない時は本当に助かるんですが、つけっぱなしにしておくとテレビが壊れるんじゃないかというハラハラ感も味わえて作業が進みます(嫌なプレッシャーの掛け方)

これ、どこのオタクの猫ちゃんも同じくらい食いつくんだろうか……。


躍動感すげ〜…………

テレビ壊れたらどうしようと思いつつ、大変助かっているので今後もお世話になると思います。


あとがき

うわ、ここまでで5,000字超えとる……こわ……

全部読んだ方、お疲れ様です。
第100回だからって特に何もないんですけど、流石に100作品も紹介してるとネタ探しに困る時もあるので、「これ読んで!」というオススメ作品がありましたらコメントやらSNSのDMなどで気軽に教えていただけたら嬉しいです。

自分で探して読むものだとどうしてもジャンルが被ってしまいがちなので、人のオススメ読むのも楽しそうだな〜と思います。

苦手なジャンルとか地雷とかは特にないので何でもオススメしてください。
小説はハードカバーで2段とかだとちょっと読むのに時間かかると思います(京極夏彦レベルのやつ)

最初の頃からずっと読んでくれている人がある時「タイトルクリックして開いた時に横のスクロールバーが小さいと興奮する」と言ってくれたことがあって、この長文楽しんでくれてる人いるんだな……とちょっと嬉しくなったのですが、今後もそんな感じのテンションで続けていけたらな、と思います。

ちなみに100回続けても特に文章は上達しませんでした。
でも、文章書くのにあまり抵抗はなくなってきたので続けてきた効果はあったのかな〜と思います。

最初の頃から読み続けてくれている人が果たしてどのくらいいるのかは分かりませんが、そもそも読者がいない体で書いているnoteなのでこれからもゆるくお付き合いいただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いします!



クロッシェクリエイターです。文章が上手くなりたくてはじめてみましたが、熱量だけが前面に出てしまうので一向に進歩しません。勢いだけで生きているフシがあるので冷静になりたいです。