最近よく頭をよぎる、最悪な結末。
まだ考えたくないけど、考えざるを得ないようなことが起きているから仕方がない。

おばあちゃんが段々忘れていってる。

物の名前がすぐに出てこない、娘や孫の名前が混ざってしまう、遠い過去の話ばかりが出てくる…
過去のことを話してくれるのは、色々なおばあちゃんが、知らなかった一面が、垣間見えるから楽しくて好き。
でも、それだけ新しい記憶がすり抜けていってしまっているということかと思うとたまらない。まだ忘れられたくない。

おじいちゃんとおばあちゃんにはまだまだ元気でいてもらいたい。
私の結婚式には絶対に出席してほしいし、ひ孫の誕生を喜んでもらいたい。
私の子どもを目一杯可愛がってあげてほしいし、抱っこしてあげてほしい。
彼氏が旦那さんになっても変わらず、惚気話を笑って聞いていてほしい。
欲を言えばおばあちゃん手作りの服を子どもに着せたいし、大好きなハヤシライスと煮物とニラみそと栗きんとんを食べさせてあげたい。
まだしたいことも行きたい場所もたくさんある。だから、元気でいてもらわないと。

忘れられるのは怖い。
弱っていく大切な人を見るのはもっと怖い。
でもそれ以上に怖いのは、会えなくなってから後悔すること。

怖いから、
なるべく覚えていてもらえるように、
誰よりも先に、一番先に、記憶から抜けてしまうことがないように、
笑って名前を呼んでもらえるように、
出来るだけ会いに行くんだ。