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ステーブルコインとは!?購入方法と種類について│メリット・デメリットを紹介

仮想通貨は市場がまだまだ安定していないので、相場が乱高下するから面白いという判断もあれば、資産として不安定だから投資したくない!という考え方もあると思います。

しかし、暗号資産の使い方を理解すればポジティブなものになりますよ。

仮想通貨で一時的に儲かった!だけど税金も取られたくないしどうしよう…
そんな時はステーブル(stable)「安定した」暗号資産に変えてしまえばいい。

今回は、仮想通貨を触ったことある人なら、ほとんどが知っているステーブルコインについて深堀りしていきます。


ステーブルコインとは!?

ステーブルコイン(Stablecoin)とは、米ドル等の法定通貨やコモディティなど特定の資産価格と連動することを目的に設計された暗号資産の一種です。ビットコインやイーサリアムをはじめとする従来の暗号資産は価格変動(ボラティリティ)が大きく、法定通貨にはない機能を備えるものの、決済手段としての実用性・安定性には欠けるという問題点がありました。

法定通貨に連動するステーブルコインであれば、暗号資産でありながら法定通貨と同等の価値を持つことになります。ステーブルコインの誕生により、暗号通貨のまま価値を安定に保つことができるようになりました。

→ビットコインなどの暗号資産は反動幅が高いから投資としては魅力的だけど決済や価値の保存手段としては不安定さが残る。
だから価格が安定的なステーブル(安定した)コインが誕生しました

例えば、米ドルにペッグされたステーブルコインである「Tether USDt(テザー/単位:USDT)」の場合、交換レートは1ドル≒1USDTとなっており、1USDTは基本的に約1ドルへと換金ができるものとされています

→USDTは米ドルと同じ価値を維持するので、だから仮想通貨で一時的に儲かったら変動する前に、USDTやUSDCのステーブルコインに換金することがベターの手段です。

ステーブルコインの種類とは!?

ステーブルコインは、価格を安定させる方法という観点から「法定通貨担保型」「暗号資産担保型」「無担保型(アルゴリズム)」「商品担保型」の4種類に大別できます。アルゴリズムとは問題を解くための演算手順、又は課題を解決するための方法や手順のことです。ここでは価格を安定させるための方法だと捉えておくと良いでしょう。

→ざっくり言えば、ステーブルコインの種類によって担保先が異なる特徴をもっています。

日本の資金決済法では、この法定通貨担保型のステーブルコインが「電子決済手段」に含まれます。一方で、後述する「暗号資産担保型」や「無担保型」、「商品担保型」のステーブルコインは「電子決済手段」に分類されません。

法定通貨担保型

法定通貨担保型のステーブルコインとは、裏付けとなる法定通貨に価格が連動するタイプのものです。仕組みとしてはシンプルで、その価格はペッグされた法定通貨とほぼ同じとなります。したがって、担保となる法定通貨を発行している国の経済状況や世界経済・金融経済の動きによって、他の通貨との交換レートも変動します。また、基本的には担保となる法定通貨とステーブルコインは、1:1のレートでいつでも交換できます。

一方で、法定通貨担保型のステーブルコインでは、発行や管理を行う組織への信頼が崩れると、資産価値が下落するリスクが存在します。

  • : USDT(Tether)、USDC(USD Coin)、JPYC

  • 特徴: アメリカドルや円などの法定通貨に1対1で連動します。これらのステーブルコインは、発行元が実際の法定通貨を準備金として保持し、その価値を担保しています。

→基本はUSDC、USDT、そして我らが日本のJPYC!
法定通貨と連動しているのが特徴です。

もう日本円通貨を使わずにJPYCで全て決済できれば楽ですね!

暗号資産(仮想通貨)担保型

暗号資産は価格が安定していない場合が多いため、ステーブルコインの価格を安定させるには工夫しなければなりません。過去には価格の維持に失敗した暗号資産担保型のステーブルコインも存在します。なお、2024年2月末時点では、時価総額や取引量が比較的多いイーサリアム(ETH)を担保としたステーブルコインであるDAIが代表的です。価格の安定が難しいことから、2024年2月末時点で、暗号資産担保型ではDAIの他に代表的なものは出てきていません。

  • : DAI(MakerDAO)

  • 特徴: 他の暗号資産(例えば、イーサリアム)を担保にして発行されます。価格変動に対応するために、通常、過剰担保を設定しています。

→もはやDAI以外に現れないんじゃないか!?
仮想通貨の価値が安定してきたら新たに誕生してくるんでしょうね。

無担保型(アルゴリズム)

価格を安定させるのが非常に難しいといわれているのが、無担保型(アルゴリズム)のステーブルコインです。法定通貨や暗号資産といった担保を用意せずに、アルゴリズムによって価格の安定化を試みます。
その仕組みを端的に表現するとしたら、中央銀行の役割をアルゴリズムで表現したものだといえるでしょう。法定通貨の発行機関である中央銀行は通常、経済情勢などを考慮しながら市場で流通する通貨の需給バランスを調整しています。同様に無担保型のステーブルコインでは、市場の需給バランスに応じてコインを発行又はバーン(焼却:使えないようにすること)することで、価格を安定化させるモデルが採用されています。なお、価格は多くの場合、ドルにペッグするように調整されています。

  • : AMPL(Ampleforth)

  • 特徴: 特定のアルゴリズムやスマートコントラクトを使用して、需要と供給のバランスを調整し、価値を安定させます。担保としての資産は存在しませんが、供給量を動的に変更することで価格の安定を図ります。

→アルゴリズムを担保にしたステーブルコインといっても、変動率が凄いのでそれはどうなの!?
1ドルとの価格差が生じると、供給量を自動的に調整し、ユーザーが保有するウォレット内AMPLも増減することで、保有するAMPLの時価総額が安定する仕組みを採用しています。

商品担保型

金(ゴールド)や石油といったコモディティ(商品)の価値に連動するステーブルコインです。ステーブルコインの価値を裏付ける分の商品を保有している必要があります。
代表的なものとして、金価格に連動することを目指しているジパングコイン(ZPG)が挙げられるでしょう。

  • 代表例:

    • PAX Gold(PAXG): Paxosが発行するステーブルコインで、1 PAXGは1トロイオンスの金に対応しています。金はロンドンの金庫に保管されています。

    • Tether Gold(XAUT): Tetherが発行するステーブルコインで、1 XAUTは1トロイオンスの金に対応します。金はスイスの金庫に保管されています。

    • DGX(Digix Gold Token): DigixDAOが発行するステーブルコインで、1 DGXは1グラムの金に対応しています。金はシンガポールの金庫に保管されています。

    • ジパングコイン(ZPG):インフレヘッジ機能など金(ゴールド)の特性を備え、デジタル化による利便性と小口化を実現した国内初のデジタルゴールドといえる暗号資産であり、概ね金(ゴールド)の価格にペッグします。

→お金の起源は元々が「金」の引き換え券だったことから、金と連動しているステーブルコインって面白いですね!
ただデジタルのゴールドはビットコイン一択ですが。

ジパングコインは三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が発行するトークンで、従来の金投資商品と同様、資産運用やインフレへのリスクヘッジといった機能性を有しており、ロンドンの取引市場の金の価格を基準として、1ZPGが金現物1グラムと同価値になるように調整されています。

購入方法について

ステーブルコインの購入方法は、一般的な仮想通貨の購入手順と同じです。

1. 取引所の選択

ステーブルコインを購入するためには、まず信頼できる暗号通貨取引所を選ぶ必要があります。以下は、主要な取引所の例です:

  • Binance

  • Coinbase

  • GMOコイン

  • DMM Bitcoin

  • BYBIT

これらの取引所は、USDT(Tether)、USDC(USD Coin)、DAIなどの主要なステーブルコインを取り扱っています。

2. アカウントの作成と確認

取引所を選んだら、アカウントを作成します。通常、以下の手順が必要です:

  1. サインアップ: メールアドレスや電話番号を使用してアカウントを作成します。

  2. 本人確認(KYC): 多くの取引所では、本人確認(KYC)が必要です。これは、運転免許証やパスポートなどの身分証明書の提出が求められます。

3. 入金

アカウントが作成され、確認が完了したら、次に資金を入金します。入金方法はいくつかあります:

  • 銀行振込: 銀行口座から取引所の指定する口座に直接振込む方法です。

  • クレジットカード/デビットカード: カードを使って直接入金する方法です。

  • 暗号通貨の送金: 他のウォレットや取引所から暗号通貨を送金する方法です。

4. ステーブルコインの購入

資金が取引所に反映されたら、ステーブルコインを購入できます。以下の手順で進めます:

  1. マーケットへのアクセス: 取引所の「マーケット」や「トレード」セクションにアクセスします。

  2. ステーブルコインを選択: 購入したいステーブルコイン(例:USDT、USDC、DAIなど)を選びます。

  3. 購入注文の作成: 購入したい数量を入力し、「購入」ボタンを押します。注文には「成行注文(市場価格で即時に購入)」と「指値注文(指定価格で購入)」があります。

5. ウォレットへの保管

購入したステーブルコインは、取引所のウォレットに保管されますが、セキュリティを高めるために以下の方法で自分のウォレットに移動させることをお勧めします:

  • ソフトウェアウォレット: モバイルアプリやデスクトップアプリとして利用できるウォレット(例:Trust Wallet、Exodus)。

  • ハードウェアウォレット: 物理的なデバイスとして保管するウォレット(例:Ledger Nano S、Trezor)。

購入時の注意点

  1. 取引手数料: 取引所ごとに手数料が異なるため、購入前に確認しましょう。

  2. セキュリティ対策: 2段階認証(2FA)など、アカウントのセキュリティ設定を有効にしましょう。

  3. 規制と法令遵守: 住んでいる国や地域の暗号通貨に関する規制を確認し、それに従うことが重要です。

JPYCの購入方法

JPYCの購入方法については、JPYC株式会社の購入方法について詳しく書かれています。

基本的には、JPYC Appshttps://app.jpyc.jp/)のページからWalletを接続して購入すれば完了です。

受け取れるネットワークはPolygon・Avalanche-C・Astar・Ethereum・Shiden・Gnosisネットワークの6つです。

ステーブルコインのメリット・デメリット

ステーブルコインのメリットとデメリットについて紹介します。

メリット

  • 日常的な決済に利用しやすい

  • 短時間かつ低コストでの送金が可能

  • 資産の避難先となる

ビットコインなどのボラティリティが高い暗号資産(仮想通貨)とは異なり、ステーブルコインの価格は比較的安定しているため、日常的な決済に利用しやすい点がメリットとして挙げられます。
→法定通貨通りの日常的な決済に使いやすいですよね!

ブロックチェーン上で流通するステーブルコインであれば、法定通貨での国際送金と比べて短時間かつ低コストで国外への送付が可能です。例えば、地震や洪水などが発生した際、災害発生地域では金融機関の機能が停止している場合があります。このような場合に、ステーブルコインであれば国内外問わず、被災エリアや被災者への送付が短時間かつ低コストで行えるというメリットがあります。
→仮想通貨の最大のメリット!中央集権(銀行)を介さずに海外へ即送金できて、受け取った人も即使えるので、速効性が高く、利便性が高い!

また、価格が安定し、低コストで送付ができることは、資産の避難先としても利用しやすいといえるでしょう。例えば、インフレーション(=貨幣価値の下落)により国の法定通貨の価値下落が続いた場合に、資産の避難先としてドルと同様にステーブルコインが選択されるケースも考えられます。
→仮想通貨で儲かったのなら、一旦はステーブルコインに避難することがベターです。

デメリット

・規制の不確実性: 各国の規制当局がステーブルコインをどのように扱うかは明確ではなく、規制環境の変化がリスクとなります。

・信用リスク: 特に法定通貨担保型ステーブルコインでは、発行者の信用に依存します。発行者が保有する担保資産の透明性が重要です。

・技術リスク: アルゴリズム型ステーブルコインでは、アルゴリズムの不具合や市場の変動により価値が崩れる可能性があります。

→暗号資産はリスクがつきものということが大前提。資産を全て暗号資産に移すことは危険です。
法定通貨担保型のステーブルコインは、発行者の信用に依存するので、発行元の会社に何かあったら、価値が下がる。まぁ株価も同じですね。

各国の法規制によってステーブルコインの発行がストップされる可能性もあるし、暗号資産だからハッキングされるリスクもあります。

ステーブルコインの将来

アメリカでは2023年7月に下院金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー議員が「2023年ステーブルコイン支払いの明確化法案(the Clatiry for Payment Stablecoins Act of 2023)」を提出しましたが、2024年2月時点で法制化されていません。

この法案では、支払いに使用されるステーブルコインの定義のほかに、発行者の資格や要件、規制機関の活動内容などを明確化することで市場の透明性や安全性、消費者保護の強化を目指しています。

また、EUでは「暗号資産市場規制法(MiCA)」が2023年4月に可決され、ステーブルコインに関する規定が2024年7月に適用される予定です。この中でライセンス制度や資産保全といった消費者保護に関する要件が定められています。

一方で、日本では2023年6月に施行された改正資金決済法で「電子決済手段」としてステーブルコインが定義されました。規制が整備されたことで、2023年ごろから複数の銀行や事業体が連携してステーブルコインの発行に向けた動きを進めています。

→日本では、JPYCが既にコンビニ決済サービスなど展開している電算システムと業務提携したと発表しました。

→コンビニの払込票の支払い方法が、「店頭現金払い、銀行振込、PayPay、クレジットカード払い」の中に「JPYC払い」が追加される未来が来ると、仮想通貨がもっともっと現実世界で使われるようになりますね!

これからの未来を楽しみに、仮想通貨と現実世界が様々なところで結びつくことに期待しています。

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