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「蝶よ花よとみたらましかば」

こんにちは、止利(とり)です。

今回は二次創作作品「蝶よ花よとみたらましかば」について。我ながら、「まわりくどいな!」って題名だなって思います…
どうぞごゆっくりご鑑賞ください。

題名「蝶よ花よとみたらましかば」について

ーー「蝶よ花よとみたらましかば」
 3回目。早口言葉のようなこのタイトルの意味は、「蝶よ花よと見ていたならば」ほとんどそのままですね……ということで、語ります。

はじめに、「蝶よ花よ」とは、子どもを思いっきり可愛がる様子で、今で言う親バカさんのお姿が近いかも…?
 この言葉の真意は、画題「西行寺幽々子」の設定にあります。この幽々子さんは現在は亡霊ですが、生前は大昔の僧「西行」の娘であったといわれています。この西行、俗世の未練を断つべくでしょうか、出家の際に実子を蹴って出て行ったという言い伝えがあります。幽々子さんはきっと、父親からもっと愛されたかったのではないか、という生前の心情を妄想。そしてこの題名にさせてもらいました。

作品の見どころ


 この作品は元々、いただいたお題「剣を持つ西行寺幽々子」にお応えすべく制作しました。ご依頼いただき誠にありがとうございます❗️
さてさて、この作品の見どころは…衣装です。
 幽々子さんが召している衣装のイメージは、タイトルにもある「蝶」です。蝶は東西両洋で霊魂や不思議なことの前触れとしてイメージされることが多いようなので、亡霊にはぴったりだ!ということで採用しました。また、背中に着けているゴツいものは『胡蝶』という舞の装束を参考にしたものです🦋
 さて、お次は両手にご注目ください。右手に刀、左手は桜の折木。ともにキャラクターを象徴するシンボルですが、ちょっとした意味合いを仮託してます。刀は力強さ、生殺与奪、長期性、守護。桜はたおやめ、優美さ、儚さなど。対比…というほどではありませんが、意味をどっさり盛り合わせちゃいました。

詞書(ことばがき)について

花に染む心いかで残りけむ
捨て果ててきと思ふわが身に  西行

世俗などきっぱり断ち切ったと思っていたのになぁ。桜の花にどうも心を寄せてしまうよ。

なんとも正直な歌ですよね…子を蹴り捨ててきた父の心は、桜の花にを見上げると、ふと揺らいでいたのかもしれませんね。さて、ここでもう一つの歌。

願はくは花の下にて春死なむ
そのきさらぎのもちづきのころ


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