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冬の終わりの美味

冬は酒粕にハマる。

酒粕は豆腐で言えば、おからに当たるもの。
日本酒のおからである。

日本酒が作られるのは秋から冬にかけてなので、美味しい酒粕が出回るのは12月から3月まで。
つまり、今が旬なのだ。


一番美味しい食べ方は、ちぎった板酒粕をグリルで軽く炙ったもの。
何でもそうだけれど、美味しいものの美味しい食べ方は、調理法がとても素朴だなあと思う。


炙った酒粕は独特の風味そのままに、柔らかくトロトロに甘くて最高である。

ちぎっては炙り、ちぎっては炙り、つい食べすぎてほろ酔いになるので(アルコールを含むので)、良いところで夕食に粕汁を作ることに。


身体を芯から温めてくれる粕汁も、また大好物。

鮭の代わりに豚肉。だし汁と味噌と根菜や葱などを入れて。オマケにもやしも。材料は何でも美味しい。
数日楽しもうと、ル・クルーゼ鍋いっぱいに作ったのに、一晩であっという間に半分になってしまった。

冬の食卓は、湯気とともに幸せが部屋に充満する気がする。
もうずいぶん暖かくて、春の声に煽られてもいるけれど。


食後の読書が少し眠いのは、仕事の疲れか、温まった身体のせいか。
それとも、食べ過ぎた板酒粕か。

それもまた良き、冬の終わりに旬を喰めば。


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