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歩く


僕は有限のレールのうえを歩いた

踏み外さないように下を向いて

僕の前にも後ろにも列をなすように誰かが歩いた

どこかの分岐点でそれぞれ別れて行って

最後に果てのある場所に向かって歩いた

果ての無い場所ってあるのかな

誰も教えてはくれない

幾つ目かの分岐点でふと立ち止まったらそれ以上歩けない気がして

初めて視線をあげた

花が咲いていた鳥が飛んでいた空は嘘みたいに綺麗だった

そこにも果てなんて有るのだろうけど

僕はこっそりとポケットに隠した地図を広げる


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