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選択子なしは幼稚なのか

「子供を産もうとは思わないんだ。」というと「でもきっと年取ったら欲しくなるよ。」っていう人は一定数いる。
まるで「若いからまだ子供が欲しい域に達してないのね」といわんばかりに。

年齢を重ねて子供が欲しいと思う人は確かにいると思うけど、わざわざ子なしを選択しているような人が年齢を重ねたからって「やっぱり子供欲しいな」って思う姿はあまり想像がつかない。

だって選択子なしは「自分が若いから今子供はいらない」と思っているんじゃなくて、「自分の人生に子供はいらない」と感じている人が圧倒的に多いと思うから。

終わらない脳内会議

私は結婚以来10年以上子なしでいいのかどうか自問自答を続けている。
その度に「子なしがいいな」と結論を出してきたので結果的に選択子なしとして生きている。このように、大半の選択子なしは脳内会議を重ねていると思う。
「本当に産まなくて後悔しないのか」
「親は孫を望んでいるけど産むべきなのか」
「自分に子育てができるのだろうか」
「辛いこともたくさんあるこの世界を生きて欲しいと言えるのだろうか」
「自分は親と良好な関係を築けなかったのに子供とうまくやっていけるのか」
「子供を育てる体力と経済力はあるのか」
などなど。これはほんの一例で、人によって違う。
ありとあらゆる可能性や問題点を引っ張り出しては「それでも産みたいか」を考える。
人によっては考えすぎと一蹴されそうなほど煮詰めた考えがどうして未熟といえるのだろう。
「考えるより有無が易し」と何事にも軽率にチャレンジするわたしも、子供だけは軽はずみにチャレンジできない。
「やっぱりダメでした、辞めます」が通用しないのが子育てだと思うから。

固定概念をぶち破る想像力

若い頃は漠然と「結婚して子供産んでお母さんになるんだろうな」と考えていた。でもこれこそ自分の未熟さだと思っている。
自分に子育てできるかどうか、そもそも本当に子供が欲しいかどうかを考えておらず、「みんなそうしているから」の一点で突き進む予定だった。全員に適性があるわけではないのに。

10代の頃は常に子供がいるような環境で育ったのに、大声で泣いたり甘えている子供の姿を見るのは辛かった。
子供がいるのが当たり前の環境だったので、まさか自分は子供が苦手だと気がつくまでに時間がかかった。
これに気がついたのは結婚してすぐの頃だったと思う。そのころの私はまだ子供について「今は欲しくないけど欲しくなったら考えよう」くらいに思っていた。
子供を産んだ友人の話や出産子育てブログなどでたくさんの情報を入れたのもこの頃。そして全て自分だったらどうかと想像し、「私にはできないし、したくないな」という結論に至った。
このように、自分ならどんな子育てをするかを想像した上で子なしを選択する人も多いはず。「みんなできてるから自分もできるでしょ」という勢いがないと産めない世の中だなとは思うけど、それで大変な思いをするのは自分と子供。
心配事や不安なこととしっかり向き合ってよくよく脳内会議をする。
その上ででた結論なので、歳をとったくらいでいきなりひっくり返る可能性は極めて低いと思っている。

全ての結論は尊重されるべきである

ここまで考えて悩んで子なしを選択する人が「やっぱり子供が欲しい」と思うのはとても大きなこと。
私だってここまで選択子なしでやってきたけど、なにかの拍子で子供が欲しくなったりするのかもしれない。人生の価値観を180°変えてしまうような出来事に直面するのか、もしくはじわじわ欲しくなるのかはわからない。だけどここまで10年以上悩んで考えたことが簡単に変わるとは考えにくい。
でも選択子なしをやめることが悪いとは思わない。
自分が悩んで考えて出した結論がパートナーと一緒ならそれはとても幸せなこと。夢を叶えるために力を注ぐのは素晴らしいと思う。
今まで選択子なしを掲げていたのにやめるなんてなんか都合のいい人っぽくていやだなって思ってしまうかもしれない。だけど自分の人生の決断に人の意見を取り入れている余地はない。「考えた末に子供が欲しいと思い至りましたが何か?」くらいの気持ちでいるのが丁度いいのだろう。他人が出すのは口だけでお金を出すのは自分なのだから。
唯一、それは自立した大人の考え方かな?と疑問に思うのは「自分は子供が欲しくないけど、夫や家族に言われたので折れて産む」こと。
「産んでしまえばかわいいと思えるようになった」のならそれは結果的に大正解だと思うのだけど、それなりの理由があって子なしを選択していたのなら、しっかり自分を納得させてから産まないと自分が苦しむ結果になるのではないのだろうか、と勝手に心配になる。

自分の人生の責任は自分にあって、自分を幸せにしてあげるのも自分の仕事。
自分の幸せを考えた時に選んだ道が子なしだった人を「幼稚」と片付けるのはあまりにも乱暴だと思う。
人間の大多数とは違う人生を選ぶのはなかなか勇気のいることで、少数派である選択子なしの私も「本当にこれでいいのか」と自問自答を繰り返してる。
こんなにもいろんなことを考えて生きている人間が「幼稚」なわけないだろう。

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