2023-01-01の日記(吐瀉物より醜い43分)

 新年を祝え。助けてくれと思い続ける間にも太鼓の音が遠くで聞こえて、それが頭の中を靄のようなもので満たしている。肺が湿気っている気がする。
 今年はもう43分も終わった。何も為していない。みんなそうであることは何の救いにもならない。呼吸が濡れている。
 何も始まっていないのに、何かが終わったらしい。具体的なものが何もないまま速度だけを感じている。エスカレーターは動き続ける。ボタンを押されないならエレベーターは動かない。これは何かの例えですか?いいえ、何でもありません。
 美文も名文も書けない。違う。何も書けない僕は吐瀉物より醜い。心の動いていない人間に、人間の心は動かせない。
 今年はサルトルの嘔吐を読みたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?