見出し画像

【不定期】一人称が「わたし」から「ぼく」になる日。


「わたし」を辞めたくなる時がある。


大抵はひどく落ち込んでいる時が多い。
わたし以外の何者かになってしまいたい。
そんな時は、心の中で一人称を「ぼく」に変えてみる。


「ぼく」でも「俺」でも「あちき」でも。
なんでもいいけど「ぼく」が多い。
いちばん「わたし」から離れた存在になれる気がする。

ぼくは最近ついていない気がする。
今日はついこの間まで仲良くしていた人に無視された。勘違いではないと思う。
元々平気で悪口を言うような人だった。
その順番がぼくに回ってきただけのこと。
何も不思議なことはない、むしろ自然。
彼女は気に入らないことがあると周りに当たったり、突然関係を断ち切ったり、自分都合で生きる人間だって分かっていたし…。


中学生以来に味わった、この感覚。
バットで後頭部をいきなり殴られたような。
氷みたいに冷たい手でさっと頬を撫でられたような。



ぼくは、傷ついてなんかいない。
ぼくは、何も間違ったことはしていない、と思う。
ぼくは、ぼくは
気付かないうちに、ぼくも誰かに似たようなことをしていないだろうか、急に不安になる。



そんなことを考えていても
時間は自然と流れて
今日は昨日に、明日は今日になるし。
そのうちおばあちゃんになって
今日のことなんてすっかり忘れて
ちょっと良い羊羹を食べているだろうし。
なんだ、今日は散々だったけど
未来は悪くないかもしれないな。


明日の「わたし」に今日の「ぼく」から
エールを送って眠りにつく。

がんばれ、がんばれわたし。
どうか負けないで。
明日もわたしらしくいてね。
おやすみ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?