【月寿】帰り道。

🖋300字小説🖋
【越知月光×毛利寿三郎】
「帰り道。」

コーチに頼まれた買い物を済ませた後、合宿所への帰り道。
秋の夕方は肌寒く、俺はぶるっと身体を震わせた。
「寒くなってきましたね」
「そうだな。上着を持ってくるべきだったかもしれない」
同じように寒がる月光さんを見上げる。
マフラーがあれば貸してあげたかったけれど、当然持ち合わせていない。
しゅんとする俺の頭を月光さんはポンポンと叩いてくれた。
「何となくお前の考えていることは分かる」
「流石月光さんでっせ。あ、ええこと思い付きましたわ」
ニッと笑って月光さんの手を掴む。
「これなら温かいんやないかな」
「フッ……そうだな」
手を繋いで帰れるなど幸せでしかなくて。
寒い日も大好きになった。

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