【月寿】小説。

🖋300字小説🖋
【越知月光×毛利寿三郎】
「小説。」

就寝前、月光さんは小説を読む。
その姿を眺めるのが俺の日課。
窓から射し込む月の光に照らされた月光さんは神々しく見える。
綺麗で、非現実的で。
見ているだけで幸せな気持ちになる。
クッションに抱き着きながらこっそり眺めていると目が合った。
一瞬錯覚かと思ったけれど確実に目が合っている──気がする。
「あ、視線邪魔でした?」
「いや。いつものことだから気にならない」
「気付いてたんや」
「熱視線だったからな」
苦笑した月光さんは小説を閉じた。
「そろそろ寝るか」
「もうええんですか?」
「あぁ」
わざわざ俺の元に来て頭をぽんぽんと叩いてくれた月光さんに笑顔を返す。
こういう所が大好きなのだ。

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