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フリースクール活動日記 2023/06/29-奥多摩

 今日も、行き先は奥多摩。前回の轍を二度と踏まないよう、ライフジャケットを携帯して向かった。いつもならば8時に出れば良いのだが、あいにくと目の前の道路は工事の真っ最中。大幅に迂回をするために、いつもよりも早く家を出たのだが、思った以上に早く駅に着いた。
 本当であればかなり急いで乗り換えなければいけなかったのだが、これによって焦る必要がなくなった。安心して全線を各駅停車で進む。そうして約2時間後、青梅駅で皆と集合した。
 今日はベトナムから帰国してきた京秋が約1年ぶりに参加することになった。彼はもう次週にはベトナムへと戻ることになっている。彼のため教室活動の終了後、近場のスーパーや八百屋などを何軒も巡って、小玉ではあるもののスイカを入手した。今回は、奥多摩の河原でスイカ割りをすることになっていた。
 今日はΧαοσは珍しく不参加。過去に通っていたフリースクールのメンバー達と、日帰りでプラネタリウムへ行くのだという。こんな暑い日に、プラネタリウムへ行って終わりというのはよくない。川へ飛び込んだ方が良いに決まっている。奥多摩へ来いと何度も説得したのだが、結局Χαοσは応じなかった。
 やがてやって来た奥多摩行きの電車に乗ると、なんと、珍しいことに皆が時刻通りに来ている。こんなことはありえない。そう言いたくなるほどに珍しい現象だ。
 川井駅で降りて、水を購入する。今日の気温は30℃を超え、陽光が燦々と降り注いでいる。こんなに暑い日ならば川に入るしかない。先月の経験からも川に入ることを渋っていた僕だが、この暑さに耐えきれず、折良く持ってきていたライフジャケットを持って皆と共に川へと向かった。
 今日の水量は、昨日雨が降っていたにもかかわらず若干少なめ。レイセン達が火を起こしている間、僕や龍角散、カッパくんは川へと突入した。気温は30度を超しているというのに、水温は先月にも負けず劣らず冷たい。
 イマンモの持ってきた西瓜は川に漬けて冷やす。これが下流へとながされたら目も当てられない。水中に入って龍角散から皆が逃げ惑うのを眺め、自分が襲われそうになったならばすかさず逃げた。


 何時も彼の行動にはひやひやさせられる。今日もまた、イマンモやemmanmo、いちごあめ(メンバー)を水に引きずり込んだ。彼ら彼女らは毎回着替えを持ってこないのに龍角散に引きずり込まれることでおなじみ。だが、幸いなことに?今日はさすがに皆、着替えは持ってきていた。こんな暑い日に川に入ろうとしないのはいい考えとは言えないからだろう。だがそれでも、決して川に入らない人がいる。スタッフのパイセンだ。着替えも何も持たずに、ほぼ身一つで河原に来た彼は、水中には決して足を踏み入れなかった。
 昼食後、皆で川に向かってカタカムナ音読。龍角散が川に飛び込むのに合わせ、前口上として「古事記」を唱和。そんなことをやっているうちに、COTAさんとパイセンが食事を終わらせたため、いざ西瓜割りを。


 1番手はヨッシー。この時皆が考えていたのは、まさか当たるまいということ。まだ1番手であるし、西瓜は小玉。当てられるはずがないのだ。それなのに、彼らはやった。やってしまった。皆の声援に包まれながら誰かが伝えた「西瓜は右だ」、「もう少し下がれ」、「そこだ。振りかぶって下ろせ」などという言葉。ヨッシーの振り下ろした棒は、風を唸らせながら西瓜へと命中。見事これの一片を叩き割った。まさか初手で割れるとは思いもしなかった。慌てて選手を交代。京秋や龍角散に代わる。


 暫く経って、西瓜は全員に行き渡った。これまでの行い故か、目隠しをした後、皆にいいように操られ、西瓜とはまるっきり正反対の方向へと誘導され、川の中へと歩み入った龍角散が、自分を騙したemmanmoたちを追いかけ回すのを横目で見ながら、カッパくんとヨッシーが水中で行った、約8メートルのシャトルランを計測した。結果はカッパくん32回、ヨッシー31回。水中で行ったため歩く度に川底の砂が削れて、どんどん水深が深くなってくるのだという。


 そんな川でヨッシー達と走っていると、ぽつぽつと雨が降り出した。それに合わせて皆帰る支度をしているのだが、京秋と龍角散がまだ対岸にいる。あと少し、もう少しと岩から川に飛び込み続けているが、だんだんと増水してきた。暫く経って彼らが戻ってきたときには、かなりな水深になっていたため、もうこれ以上此処に居るのは得策でないと判断し、珊瑚荘へと戻った。
 珊瑚荘で着替えていると陽が昇った。掃除をしている間に時間が過ぎ去ってゆく。気がつけばかなり時間がぎりぎりに。川井駅まで安全を確保しながら走り、なんとか全員が駅に着いた。電車が来るまでに少しでも涼しさを得ようと、室外機に当たっていると暫く経って電車が来たので、それに乗り帰宅した。

‘今日持っていった本’
ランサム「ツバメ号とアマゾン号 上下巻」
     〃      「ツバメの谷 上下巻」
トリーズ「この湖にボート禁止」
サトクリフ「第九軍団のワシ」


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