トーテムなポール【エッセイ】

 トーテムポールが部屋の中に会ったら面白くないだろうか。
 そんなことをふと考えた。
 トーテムポールを柱のように配置してみたい。部屋の角に置きたい。

 そもそもトーテムポールとは何か。
 北アメリカの先住民族が作っていた木造彫刻の総称らしい。今調べた。なんかごっちゃになってオーストラリアのものだと思っていたのだが、何とごっちゃになったんだ。彫っているのは文化的伝承に基づいたものだったり、家系に関わる紋章だったりするとのこと。神さまとかじゃないんだこれ。んでもって屋根を支える柱として存在していたのが確認されているらしい。門だったり、家の中の柱だったり、記念碑的な物だったり、棺桶になっていたり……棺桶に? あれに人入れたの?
 なんだか奥が深そうである。トーテムポール、恐るべし。

 というか柱でいいんじゃん。
 なーんだじゃあ柱にしようぜ、と思ったが待てよ、あれデカくないか。
 ものによるだろうが、どう考えてもデカい。一人暮らしになったら置いたら面白そう、なんてノリで入るか?
 ちょいと調べたら日本家屋の天井はだいたい240センチほどが多いらしい。2メートルと少し。どうせなら翼のついたものがいいなと思うのだが、扉を通れるのかあれは。

 もしくは家を作る時に(そんな時が来たらだが)大工さんに「家の柱を一本トーテムポールにしてもらえないですか」なんて言ったらどんな顔をされるのだろう。元々を考えれば間違ってはいないのだが、日本でそれをやったら確実に「やべえやつ」か「そういう研究者」のどちらかだと思われる。というか研究者も家の柱を一本トーテムポールにしようとは思わない気がする。じゃあ単純にやばいやつだ。

 うーむ、難しいだろうか、トーテムポールの設置。

 調べてみたらミニサイズトーテムポールは売っていた。50センチくらいのもの。
 それは玄関サイズだなあと思いつつ画像を眺める。

 そもそもなんで私はトーテムポールを部屋に置きたいのだろうか。何もわからないが、そんな欲求だけがお腹の辺りでぐるぐるしている。

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