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天国の日々②

温泉日記vol.0【ポルダー潟の湯】

(前回の続き)
大潟村の温泉「ポルダー潟の湯」に着いたのは、お昼の12時を少し過ぎた頃でした。

受付で入湯料(400円)を支払い、建物の中に入ります。内装は西洋風ですね。
いわゆるスパ的な温泉は幾つかありますが、より凝った造りのような気がします。
陽光が降り注ぐ中庭には、白い彫像たちが置かれ、まだ見ぬ運命の恋人を待ちわびているかのように佇んでおりました…。
というか、まぁ見方によっては、湯あたりを起こして休んでいるおじさんたちのように見えなくもないんですが…。
ともかく、そこら辺の造りの本気度というか、お金の掛け方は、やはりオランダに対してのリスペクトが感じられる部分でした。

さて、肝心の温泉です。

こちらの「ポルダー潟の湯」は全国的にも珍しいモール温泉として、有名な温泉なのだそうです。
「モール」というのは、ドイツ語で腐植質を意味しているとのこと。
つまり、太古の植物などの有機物由来の成分が溶け込んだ温泉ということなんですね。
湯色は赤土色で、微かに石油のような臭いが洗い場に漂っています。
資料などにはコーラ色と書いているものもありますが、コーラよりは赤味が濃いような気がしましたね。
鉄錆の色といった方が近いかもしれません。

湯舟に入った瞬間、軽く驚きました。
ちょうど「へぇ」と「ほぉ」の中間ぐらいの驚きですね。湯の感触がまるで化粧水のようなんです。
滑らかに肌にまとわりついて、染み込んでくる感じ。
思わず「ふえぇ」と情けない声が出てしまうところでした。
僕の完全なリサーチ不足だったのですが、ここは天然保湿成分を含む美人の湯としても有名な所らしいのです。
おまけに泉質がナトリウム塩化物強塩泉(つまり塩が入っている)という事で、皮下浸透度が高く、あっという間に体の芯まで温まります。お湯から上がっても、体中がポカポカして、しばらく汗が引かないくらいでした。
冷え性の女性の方、お肌でお悩みの方にはオススメしたい温泉ですね。

風呂上がりに炭酸ジュースで喉を潤しながら、近くの広場を散策しました。
当日はちょうど菜の花まつりの期間中であり、広場には出店が並び、幸福そうな家族連れが芝生に座って焼きそばを食べたり、ミニSLに乗って菜の花畑を走ったりと楽しんでおりました。

僕はそんな光景をぼんやりと眺め、二の腕をさすり、その感触を確かめながら、「そうだよなぁ」とふと思ったりするのでした。

元号が変わろうが、時の政権が変わろうが、僕たち庶民にとっては、家族の幸福こそが人生の目的なんだよなぁと。

大潟村、良い所です。
皆さんも機会があれば訪れてみてください。
もちろん日本語も通じます。

補足:その夜に泊まった秋田市のルートイン1303号室からの夜景です。駅裏だから光の感じが寂しいですね。気分的にはウォン・カーウァイの映画『ブエノスアイレス』の気分で撮ったのですが。う~ん…。

(参照:『あきた日帰り温泉』株式会社あきたタウン情報)

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