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詩集:spring

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春に書き留めた詩をまとめたものです。
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記事一覧

【詩】あまのじゃく

今の僕にできることって何だろう 青空に伸ばした両腕と手のひらはちっぽけで 全てを包み込んで…

Amity
1日前
13

【詩】無色透明

ワイングラスに注ぎだしたサイダー 閉じ籠りたい シュワシュワと湧き上がる泡の一粒に 底から…

Amity
7日前
10

【詩】黒猫のワルツ

尻尾をふわりと揺らして 満月の上に降り立った黒猫 鈴の音に合わせて 軽やかなワルツを踊る …

Amity
7日前
12

【詩】はてなマークの方程式

頭に浮かんだ疑問符 曖昧なままにしたくなくて 0点の解答用紙の端っこに書き留めた バランス…

Amity
8日前
11

【詩】若葉

日傘を少し傾けて 眩しい陽光に目を細めながら 揺れる木漏れ日と小さなシルエットを見つめる …

Amity
8日前
13

【詩】想像ラジオ

見えない電波が飛び交って 心の中に秘めた音声が乗っかる 光の速さで弧を描きながら 狭くて閉…

Amity
11日前
18

【詩】マネキン

昨日はCoachの帽子を被って 涼しげな表情を作り 別の日にはCHANELの香水をつけて 背伸びした大人になってみたり 今日はHERMESのバッグに ありったけの嘘と青写真を詰め込んで とある日はDiorのハイヒールを履いて 颯爽と街頭を歩いて 翌日はPradaのスカートを翻しながら 舞踏の夜を明かしたり 真っ白で すべすべで 無垢な肌  一定のポーズを貫いて 静かな視線を注いでいる 誰も彼もが憧れる マネキン21号 

【詩】紅

染められた 毒々しい紅に それはなんだか 怒気ややるせなさ、怨念を足してちょうどピッタリ3…

Amity
2週間前
8

【詩】空白

差し出された答案用紙 握った鉛筆に込めた力はなんだか弱々しくて 消しては 書いて 見えない…

Amity
2週間前
8

【詩】白日

寝ぼけ眼を擦る ぼやけた世界がだんだんくっきりとしていく 生まれたての夜明けは朝露の水しぶ…

Amity
2週間前
9

【詩】記憶

日々の記憶は溶けていく 深い 深い 水底に 一分 一秒と 経つにつれ 春風にさらわれた花び…

Amity
1か月前
10

【詩】秒針と回想

流れる時の狭間で 未だ動きを止めない秒針にしがみつき 足掻き続けている 心の端っこにできた…

Amity
1か月前
15

【詩】For You...

アルバムめくる手が止まる 思考回路はワンテンポ遅れた 揺れる梢のシルエット 絵に描いたよう…

Amity
11か月前
14

【詩】真夏の憧れ

じりじりと照り付ける日差し サングラスを少しずらして 麦わら帽子のつばの角度を変えて 光の粒たちが頬の上でキラキラと反射する 足跡辿った先には砂の城 誰かが枯れ枝で書いた謎の暗号 波がさらっていく貝殻に手を伸ばし 耳に当てて海の叫び声を聞く 小麦色に焼けた腕を絡ませて シーグラスのありかを探す 両手いっぱいに掬った透明の宝石たち ボトルシップにくくり付けられた書簡 願いを乗せてマリンブルーの絨毯の上に浮かべた ここではないどこかへ 行っておいで、と