見出し画像

島へ向かう 【詩】

魚たちが同じ間隔で海面を跳ねる
船が波に押され大きく揺れる
展望デッキでジタバタする僕に
反射的に投げかけられた視線
その顔を見ることもできず、さっきまで座っていたベンチへ戻る
船のエンジンが白波を立て
風を切り、空気をかわしていく

もうすぐ島へ着くという船内アナウンスに
立ち上がるそこにいる誰か
僕はまだベンチに座り微動だにしない向こうの島を
じっと眺めていた


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?