見出し画像

もう誰も死ぬな

もう両手では数切れれないほどの死別を経験したけれども、どんなにベストを尽くしたとしても、遺された側は必ず「あのときああしてれば、こうしてれば」が残る。私に出来ることは限られていて、人を救うことなんて出来ないと頭では分かっている。だけど、心は正直で訃報が入った瞬間は背中をナイフで刺されたような感覚がする。確かにあったはずの楽しかった思い出も、その一瞬はすべてが哀しみで打ち砕かれる。人の死の前で私は無力だ。私は私が愛した人達が死んでしまうのが怖い。死んだあとには自責の念が残るのが辛い。だから、生きてる間に全力で向き合うし、自分に出来ることは何でもしようとしてしまう。でも、そうすると自分が先に壊れる。何も出来ない自分に嫌気がさす。ずっとそんなループを繰り返してきた。近頃はもう誰も死ぬなとただひたすらに祈ってる。私に出来ることなんて本当は祈ることぐらいなんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?