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きみの鳥はうたえる

正直なところ全然期待しないで観たが、僕、静雄、佐知子の3人でいるときの雰囲気がすごく好みだった。
コンビニで買いすぎてお会計の数字がどんどん上がっていくのを見ながら「うわぁ3000円超える?」「やばいやばい」って実況する様だったり、3人で相合傘してるときに傘持ちが突然立ち止まったり走ったりして両脇のふたりが濡れてぎゃあぎゃあ騒いだり、口琴がうまくできなくてみんなで笑い転げたり、全然大したことじゃないんだけどじんわりと幸せを感じるような、その空間に混ざりたいような気持ちになった。一見自堕落だけど、永遠に続くようなそんな時間が愛しいし、羨ましいなとも思えた。

冒頭、もしかして…と佐知子を待つ120秒と、最後120秒数えようとしてやめて自分から佐知子のもとへ走り出す対比が美しかった。不誠実で気持ちを伝えたがらなかった“僕”が、佐知子に一旦拒否されても自分の正直な気持ちを言い切ったのは、ずるいかもしれないけど彼なりの成長が見られたので良かったです。

佐知子役の石橋静河さんがすごく良くて、色っぽくてミステリアスだけど無邪気さも可愛さもあって、とくに静雄のビックサイズのTシャツを着て帰る姿は同性のわたしでも見惚れた。あとクラブでダンスを踊るシーン。あんなに無邪気に肩にもたれかかってきて、やわらかそうな髪が頬に当たったら好きになっちゃうよなぁって。彼女もある意味ずるいです。

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