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「生きているだけでえらい」にぜんぶ詰まってる

コロナ禍では睡眠のリズムが後ろにズレて遅寝遅起となり、睡眠の質が落ちたと感じる人も少なくなかったようだ。

人はもともと遅寝遅起の方向にリズムがズレやすいらしい。
日の光を浴びることや運動によって一定のリズムが保たれているそうだ。
でも、リモートワークではどちらも不足しがちである。

それに、日が沈んでも室内はこうこうとしているし、とくにPCやスマホの画面は不自然に明るい。
だから睡眠リズムが後ろにズレやすいのだと。

「早起きできないのは甘え」という人がいるけれど、逆ではないか。
現代人の生活では睡眠リズムがズレる因子だらけなのだから、遅起きになってしまうのが甘えではなくて、早起きをキープしつづけられる人がストイックといったほうが適切ではないか。

∽∽∽

わたしの友人のひとりも、だいたい毎日3時ぐらいに寝て、朝10時か11時ぐらいに起きるという。

「まあでも、こっちは夏なんか22時ぐらいまで明るいからなあ。日の出も日の入りも、年中日本より2~3時間遅い感じ」

そう、彼女はパリに住んでいる。

「わたし日本で働くなんて無理だもん。あんたは何時に起きたってちゃんと仕事してるんでしょ?
えらいよ。ホントすごいと思う。生きてるってだけでえらいんだから」

彼女はいつもいってくれる。
「生きてるだけでえらいよ」
「あんたよくがんばってるよ」

なんだろう。
もはや母親よりも母親のようだ。

そんなメールを、こっちの深夜と向こうの深夜でやりとりしている。

∽∽∽

そう思うと、わたしだいぶえらいぞ。
すこしでも早起きしようと、ほぼ毎日散歩にも筋トレにも自発的に取り組んでいるのだから。
まあなかなか実らない点が残念ではあるが。

早起きを目標にしていると、失敗した日は起きた瞬間から心がボッコボコに袋叩きにされるからしんどい。
手負いの状態で1日が始まるのは、なかなかにハードモードだ。

彼女のひと言は打撲した心に貼るシップみたいなもんだ。
「ちゃんと働いているだけでえらい。生きているだけでえらい」

早起きを諦めるわけではないけれど、執着をすこし手放してみようかと思う。
できなくて落ち込むのではない。
できなくてあたり前だから、できたときに喜ぶ。

「生きているだけでえらい」は、慰めも労いも励ましもぜんぶ詰まった、やさしいことばだなあ。

彼女には感謝してもしきれない。

わたしと出会ってくれてありがとう。
中学校2年生の4月、声をかけてくれてありがとう。
今でも気にかけてくれてありがとう。
帰国するときは今でも必ず連絡してくれてありがとう。

そして、誕生日おめでとう。
「ありがとう」の花束、メールで贈っとくね。



今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたが大切にしている言葉は、なんですか?

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