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梅木氏をビジネス的に考えてみる

​インターネット業界の著名人である​梅木雄平氏が「持っている鞄や靴で女性をランク付けする発言」をしてTwitterで炎上しているのを見ていろいろ思うことがあったので、このnoteを書く。
ことのいきさつはこちらのtogetterにまとめられているので「何の話?」という人は読んでみてほしい。

私自身Twitterでこう発言しており、noteにも書くかなーと思っていたら、

ネット上でもプライベートでも仲良くさせてもらっているぱぴこ氏に先を越された。

私は彼女ほどファッションやブランドに情熱を注いではいないのでこういう観点での怒りは彼女に任せた。

ただ、これはいい機会だったのでちょっと視点を変えて梅木氏のことを書いてみたいと思った。なのでこのタイトルである。
「その梅木はビジネス的にアウト」というふざけたタイトルが思い浮かんだが、やめた。

まず、「梅木雄平って誰?」という疑問があると思うが、とりいそぎ梅木氏本人が書いた経歴を見てみよう。

■The Startup編集長:梅木雄平に関して
 The Startupは梅木雄平が個人で運営する独断メディアです。
1984年:北海道旭川市生まれ
2004年:慶應義塾大学商学部入学
2008年:緑のブログの会社の子会社で投資事業に従事
2009年:慶應義塾大学商学部卒業
2010年:アパレルEC、シェアハウスのマーケティングに従事
2011年:C2Cサイトの立ち上げを経て、フリーランスとして独立
2012年:日本初の有料オンラインサロン「Umeki Salon」開設
2013年:株式会社The Startupを設立。以後数十社のインターネット企業のコンサルティングに従事
2016年:スタートアップ資金調達関連月額マガジン「ウメキワークス」開始

うーん、よくわからない。
「緑のブログの会社の子会社」とあるので調べたらサイバーエージェントの子会社のシーエー・モバイルだということはわかったが他に関わった具体的な会社名が出てこない。

「アパレルEC」とか「シェアハウス」、「C2Cサイト」が実際何のサイトかでだいぶ印象が変わってくる。
例えばアパレルECがZOZOでC2Cサイトがメルカリだったらとんでもなくすごい人だが、「メルカリ 梅木雄平」と調べても出てこないので多分違うんだと思う。

サロン開設はまぁ置いておいて、「以後数十社のインターネット企業のコンサルティングに従事」これが気になる。どれだけの企業の成功を導いたのだろうか。

■主な過去のクライアントワーク
・東京カレンダーWEBプロデューサー(2014.6-2017.7)サイトPV規模を約100倍にグロース
・上場企業投資買収事業(2014.6〜)M&A3件、マイノリティ出資5件をアレンジ

やっと知ってる名前が出てきた。「東カレ」である。
しかし「サイトPV規模を約100倍にグロース」と高らかに掲げられても極端な話、10PVを1,000PVに増やすことは比較的簡単だしそこからどれだけのマネタイズができたのか疑問である。

こんなふわっとした経歴でももてはやされるのは「インターネット業界」の特性だと思っている。

私はここ数年何社かのIT企業で働いているが、ずっとインフラ側(企業がインターネットで何らかのサービスを行うための設備を提供する側)の企業にいて、しかも直接の関わりとしては金融や公共などお固い業界を担当することが多かったので私個人としてはやや遠くからインターネット業界を見ていた。

ただ何回か「インターネット業界」を象徴するようなイベントに参加したことがあり、これらの業界の人たちと直接関わる機会があった。
1日講演を聞くだけで5万円、懇親会に参加するには10万円必要なイベントに参加したことがある。その場にはZOZO(当時はLINE)の田端さんもいたし、堀江さんもいた。

そういったイベントで思ったことだが​「PVがX倍に増えました!」とか「TwitterのフォロワーX万人」とか「LINE公式アカウントの登録数がXX万人」とか、そういうことだけを講演で嬉々として話している業界の著名人が多くて驚いた。そしてそれが結構ウケているように見えた。
公式LINEなんてスタンプをダウンロードしたら即ブロックしちゃうじゃん・・・
「PVが増えるだけじゃなくてそこから製品ページへのアクセスがどれだけ増えてそしてどれだけ売上げが上がったか」でしょ、インターネットの価値を測るのは。
PVやアクセス数なんていうものはちょっと変わったことを発信したりそれこそ炎上すれば上がる。炎上だけさせたいのなら梅木氏にコンサルを依頼するのは適任だろう。

やや遠くからではあるが数々のインターネット企業の栄枯盛衰を見て、
「インターネットで儲ける」というのは想像より遥かに難しいことを知った。

少し具体的に表現すると「利用者(もしくは広告主)に課金させ続ける魅力のあるサービス」と「それをつくるためのものすごい設備投資」が必要なのである。

その難しい状況の中で自分のビジネスを成功させるために著名な人のご意見を賜りたくなるのもわかる。
前述したようなキラキラしたイベントに大金を払って参加して人脈を作りたくなる気持ちもわかる。藁をもすがる気持ちだろう。
でもそのつかむ藁が梅木氏である必要があるのか、私には最後までわからなかった。

そして私が特に気になったのはこれらの発言だ。

(それこそいつの話か知らない殺人予告みたいな極端な例を出されても困るのでそこには触れないが)
Twitterに関しては彼のように自分の名前を売ってなんぼみたいな人と違って、普通の会社員が個人の趣味やっている以上実名を出すメリットもなければ義務もない。
そして「普通の会社員(であると思われる人)」の発言だからこそ面白いと感じ共感されることも多い。
「匿名アカウントから」というが匿名アカウントがなくなったら彼のフォロワーの大半は消える。フォロワーが減ればTwitterでの発言力や影響力もなくなるし、そのぶん拡散力もなくなる。拡散力がないTwitterなど、サービスの価値はほとんどない。
Twitterにおける「梅木雄平」というブランドだって無数の匿名に支えられてのものだ。インターネット業界にいる人としてこの発言は本当にどうかと思った。匿名で意見されるのが嫌ならFacebookだけで発言すればよい。

さらに言うと高級な本革の鞄にパソコンは入れられないし、彼が評価するような高級パンプスはアスファルトの上を歩くような靴ではない。
パンプスで考えるとデイリーで使える実用性をギリギリ保った最高級ブランドの一つがペリーコであると私は解釈しているが、ペリーコをディスるということは世の働く女性をディスることだと言いたい。それはもちろん梅木氏が利益を得ているインターネット業界で働く女性たちをも含む。
それとも平日のデートの時は履き替えて来いということだろうか?それとも梅木氏ほど忙しい人は平日はデートする暇もないか、そうか。

とにかく不要に人の感情を逆撫でするような浅はかな発言を連発してしまう彼にビジネス的な価値は本当にあるんだろうか。そして彼のようなキャラクターがもてはやされ続けると「インターネット業界」そのもののイメージが悪くなるのでは、なんて思ってしまうけどそれは不要な心配だろうか。

まぁ私もこうやって休み時間やプライベートの時間を削ってまでこの記事を書いているので炎上元としての能力は本当に高いとは思うけどね。

※梅木氏をビジネス的にめちゃくちゃ評価している人、記事等ありましたら教えてください。読んでみたいです。

ではこのへんで。

お読み頂きありがとうございます。最近またポツポツとnoteを上げています。みなさまのサポートが私のモチベーションとなり、コーヒー代になり、またnoteが増えるかもしれません。