詩片#7「愛してるを声に乗せて」
今日の詩片
先日までNPOの仕事で、タイの孤児院(正確にいうと孤児や貧困で預けられてる子達が暮らす学校村)におりまして、子ども達と10日間でミュージックビデオを一緒に作るというワークショップをやっておりました。
かれこれこの活動はもう5年くらいやってるわけだけど、ここ最近僕は「愛してるよ」とちゃんと伝えるというのを意識するようになりました。
というのも、日頃から言わなきゃわかんねえよ!ってこととか、伝えてくれなきゃ伝わらないよ!って思うことがたくさんありましてね。
とか言ってる僕も、全然思ってることを伝えなかったり、言わなかったりする典型的な空気読む系はみ出したくない系ステレオタイプジャパニーズなわけでして。曲の中だけ、ステージの上だけなら言えるんですけど。
だからこそ、子ども達には「愛してるよ」ってちゃんと伝えたい。
孤児院の子ども達に簡単に「愛してるよ」なんて言って良いのかと考えた時期もあるけれど、
嘘じゃないなら伝えたらいい、伝えたほうがいいと思う。
それは孤児院の子ども達は愛に飢えてるからとかそういうことじゃなくて(そもそもそんなの人による)、孤児院の子達が特別なんじゃなくて、僕らはみんな等しく愛を受け取るべき存在だと思うから。
誰だって、僕だって、あなただって、愛してると伝えてもらえたら嬉しいし、愛されてると感じることができれば、それが生きる糧になったりする。
今回のタイで、「チャンラックン(I love you)」って言いながらできるだけたくさんの子ども達にハグをした。
心からの愛してるって伝えながらハグをすると、ただのハグより何倍も愛おしいハグになると知った。
そして子ども達から「愛してる」と言われながらハグをされるようになった。何度も伝えて、何度もハグしてくれる子がいた。その子はまだ6歳くらいで、言葉も通じない子。けれど、何度も愛してると伝えてくれる。
本当に愛おしく思った。この子がどうか幸せでありますように。そしてこの子に僕ができることを全てしてあげたいと思えた。
言葉にして伝えたら、言葉にしないよりも何倍も伝わる。
だから言葉があるんだと思う。
愛おしいと思えた時に、僕は音楽に逃げずに、仕草に逃げずに、まっすぐ愛してると言葉で伝えられる人間でありたい。
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