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Q・おうじ、NFT辞めるってよ。

前回までの記事↓

電源を切った扇風機が力無く回るように
車は急には止まれぬように

全ての心が折れた私が、今なおペンを握るのは
もはやただ慣性の法則に従っているだけの右手なのかもねむ、と

あるいは

コンコルドの誤りをご存知でしょうか。

簡潔に言えば
今までの投資を思うばかり損失を認識しながらも前に進む心理

もちろん、絵の世界だけでも、大きな挫折は経験してきました。
しかし
漫画家への挑戦失敗と、今の私が感じている挫折は
性質がまるで違うのです。

風に震える、緑の草原

辿る瞳輝く、若き旅人よ

そんな輝きは遠になく
時はすっかり経過したのち
私は今、ここにいるのですから。

【フェーズ1: 念書】

2021年11月

未練がましいとはまさにこのことで、私はNFTの出品を定期的に行ない、イラストもセコセコと続けておりました。

そんな最中、youtubeでとある動画が目に飛び込んでくるのです。

ICHIGO師匠のこちらの動画です。

それまでのNFTに関してのhow to動画は
正直小難しい話ばかりで少し理解が追いつかなかったのですが、ICHIGO師匠は割と普段使ってる言葉に近い形で説明してくれておりました。

しかも割と近い時期にNFTを始めており、私は一つ考えたのです。

『二ヶ月売れないのなんて当たり前なのか…
この方のやり方をなぞって
売るための努力ぐらいはしてみるか…』

そこからは粉々になった気力をかき集め
宣伝枠ツイートに宣伝活動をしたり、自分の作品は一旦置いておいて
コレクター向けのコレクション

『cryptomonitors』を作ったりしておりました。

cyptomonitors #001 Color bar 

改めて見ると、結構気持ち悪いですね…

※余談ですが、この時期
Cryptomonitorに関して
私はとあるインフルエンサーなのかな?と
ある出来事があったのですが
これはまた後日
バイオレンスな気分になったら書こうかな、と思います。

そんな失意の中でも、まだ自分の中で

『他の作品も見てもらえればわかるはずだ!
自分のイラストは目に止まればきっとわかってもらえるはずだ!』

そういう類の思いは微かに、残っておりました。

ICHIGO師匠含む、同時期にNFTを始めて
売れている方々を目の端にとらえられながら…

【フェーズ2: 蜘蛛の糸】

こんな私でも、喜ぶべきことがありました。

もはや超売れっ子と化していたICHIGO師匠は、こんな売れてない私にとても優しく声をかけてくださり、推しリストに入れてくれるなどしてくれました。

と、いうのも
NFT関連のキラキラしたツイートは流れてくるものの、私は売れてもないのでその輪に入れずにいたのです。

しかしICHIGO師匠は売れっ子な立場を持ってしても
私のような未だ何にもなっていない者に定期的に声をかけてくださり
これだけが本当に、ギリギリ
ギリギリ私とNFTのつながりを感じられるラインだったので
きっと師匠からしたら些細な言葉だったとしても

私は嬉しかったのです。

それでも
それでも
やはり現実は甘くありません。

『二ヶ月売れないのは当たり前』

本当によく聞きました。

色々な方から聞き及んでおります。

年を跨いで

2022年1月

約3ヶ月

宣伝活動やNFTにコミットした活動を続けた事とは裏腹に

私のNFTは

未だ

ネットの知人
ロボノフ氏

https://twitter.com/_roborov

1枚は完全に新規だった
パンプキングガロさん

https://twitter.com/de_pumpking

この二人がお迎えくださっただけで、その他は売れずその時を駆け抜けていたのです。

0.001ETHだったとはいえ
本当はそのことに多大な恩もありますし
これがどれほど特別だったかは
この後に知るのですが

当時の私はそれよりも

絶望感と無力感の方がはるかに勝っていたのです。

Cryptomonitor #007 LOVE SIC

恋煩いで心が壊れるアニメ(と呼べるかわかりませんが)

皮肉なことに

この変わり種を持ってしても
注目される壁を壊せなかった私の心が

この作品を出品することで
この作品のように打ち砕かれてしまったことは

最早言うまでもないでしょう。

【フェーズ3: タイラーダーデン】


ここにいるのは、この世で一番強くて頭の良い連中だ。

だが可能性の目が、むしり取られている。

ほとんどの人間がガソリンスタンドの店員か、ウエイターだ。
…もしくは

会社の奴隷。

広告を見ては、車や服が欲しくなる。

嫌な仕事をしては、要りもしない車や服を買わされるわけだ。

俺たちは歴史のはざまで生まれ、生きる目標も場所もない。

新たな世界大戦も
大恐慌もない。

今あるのは…魂の戦争だ。

毎日の生活が…大恐慌。

テレビにこうそそのかされたよ

いつか自分は

金持ちか、スーパースターか、ロックスターだ!…って。

…だが違う。

少しずつ現実を知り

とうとう頭が…

キレた

私が私について一つ
少し人よりも不遇だなぁと思うことがあります。

それは
私はこの時に至るまで、何かささやかで良かったのですが…

人生全てにおいて
挫折を繰り返すにはあまりにも

成功体験がなさすぎた事です。

だからささやかな事が、挫折が
憎むと言う行動に出てしまうんだと思います。
その上で心がまるでタイラー・ダーデンのような状態になってしまった私は

2022年2月6日に

NFTから距離を置くことを遂に決意するのでした。

NFTから距離を置くこと仲間内に知らせる私
2/6 twitterでNFTから距離を置くことを宣言

【フェーズ4: 全てを失い、真の自由を得る】

私は元々、野良犬的思考の絵描き

こうなっては遂に寝た子が

負の感情が
鬱憤が

目を覚ましてしまいます。

さながらジャックナイフ

アナログ・ジャックナイフ・王子

NFTシーンのキラキラしたツイートに噛みつかんばかりにTLを凝視

そこで一件
ジャックナイフには境遇上、どうしてもスルーできないツイートが流れてきました。

『最初の生贄は…お前だぁー!』

と言わんばかりに
早速引用RTして、嫌なヴァイブス全開でツイート

そのお相手は、こちらのお方

ご存知ですよね。

Cool Girl NFTを展開する
一枚がものすごい価値になっていて、さらに先日起業もされた

あのimoto社長です。

https://twitter.com/imoto_akira

もちろん私は売れてもないNFTプレイヤー
なんだったら
NFTプレイヤーにもなってないわけです。

NFT界のパワーバランスなども当時知る由もありませんので
imoto社長の人気や立場も、当然把握していませんでした。

ここに

アナログ・ジャックナイフ・オウジ VS Akira_Imoto

その戦いが

始まるかのように見えたのですが…
 
これ言っていいのかわからないのですが

すぐにimoto社長から
当たり障りのないリプライが届いたのです。

跳ねっ返りを諭すような文面の

しかし、それには返事ができなくなっておりました。

『ブロックされたのかな、まぁそりゃそうか…』

するとしばらくして再びimoto社長から返事が来たのですが、それは意外にも

最初の当たり障りのない返事からこれだったので

おそらくimoto社長の中で伝え方を変えざるを得ない何かがあったのだと思います。

これとは別に

『普段は人のコレクションに絶対口出ししないと決めている』

ともおっしゃてましたので、かなり特殊なことで、本気なんだとすぐに認識しました。

しかしですね
私はもう

狂犬アナログ・ジャックナイフ・オウジ

すぐに返事を返します。

チワワでした。

そこは失礼は重ねず、本気で応えてくれたら本気で返すのが野良犬の流儀ですから。

というかですね。

『この画力で売れない訳がない』

この言葉はですね、私はずっと

自分で自分に言い聞かせてきたんです。

自分が言うしかなかったんです。

この一言で、どれだけ私が救われたか…

この件があり、風前の灯だった私の心の火に、少しだけ薪を焚べることができたのです。

ポリゴンとか言うやつの導入とか
まだできることがありそうだなぁと

そうポジティブな方向に気持ちが動きました。

当然
『期待せずに』ではございますが…

【フェーズ5: バースデイ】


12時間後

一件の通知が入る。

孤高遊戯Graffiti Cool Japan #001

なんの縁か
Cool Girl NFTを展開するimoto社長が
わざわざ私のスーパーデフォルメイラストのシリーズ
Cool Japan #001
こちらを使ってわざわざツイートしてくださったのです。

ありがたいなぁ、俺、まだ頑張れるなぁ…

しかし私はまだ

imoto社長をみくびっていたのかもしれません。

そのツイート後

程なくして携帯がけたたましく鳴り出しました。

リプライツイート

いいねとRT

DM

フォロー通知

そして

openseaからのメール

何度も思い描いていた

自分の作品が

誰かに求められると言うこと

何度も何度も何度も

その期待は無かったことにされました。

創作は対話なり
そう自分の中で位置付けたことが悪かったのでしょうか。

向こうにボールを投げても
そのボールは決して返ってはきませんでした。

何者でもないと理解はしていても
どんなに心に言い聞かせても

苦しいもんは苦しい

誰にも伝わらない言語で
街中で演説をしているみたいな
そういう類の孤独感

いっそのこと、誰もいなかったらと願ってしまう
そんな心と戦う日々は
おおよそ私の思い描いてた理想のクリエイターでは無かったのです。

それでも

今日

その日に

その瞬間に

私は

絵描きになれたのでした。

【フェーズ6:  本当の事】

0.03ETH

2022年2月6日

私の約30弱の作品が完売状態になりましたが大体の総売上がこの価格…笑
どんな値段設定してるんだと言う話ですが

私の中で、お金を出すと言うのは究極なんですよ。
価値観はそれは人それぞれ違いますが、どういう理屈づけであれ、究極のことだと思うんですよ。

だから本当に嬉しかったです。
求められると言うことがこんなにも嬉しいことだと、知らなかったですから。

しかし

私は、ここまで負け続けた男
1日たてばそれはもう求められていない世界に変わるのを何度も体験している男

それもあってかpolygonを準備してすぐその日に出品することに決めたのです。

簡単なオークション的な形式で。

半信半疑が拭えぬまま
全ての準備が整い7作品をミント状態にし
17時ぐらいから22時までの間で入札を待つ形だったと思います。

人生が変わるかもしれねぇ…

そう思うのに時間は要りませんでした。

全ての作品が
先日のトータルボリュームに匹敵するほどのbidをいただいていたのです。

openseaからのメールもガンガン入り
フォロワーも増え続けております。

放心状態で天井を見ておりました。

私は
自分の性格上、何か実現できた日には

『ざまぁみやがれ!売れてやったぜ!ちくしょー!』

こうなると思っておりました。

結果は
単純に感謝することしかできなかったです。

決して良い格好がしたくて言うんじゃなく

本当に

色んなことに感謝の気持ちが溢れて止まらなかったです。

その中でも特にありがたかったことが二つあります。

・私の元々のスタイルを受け入れてくれたこと
・まだ、絵を描いていていいと思わせてくれたこと

色んなことがあるのですが、この二点は本当にありがたかったです。
そう言う思いがぐるぐると体中を駆け巡っておりました。

7つの内二つの作品が0.1ETHを超える頃

私は確信するのです。

人生の流れが…、変わる…!

【フェーズ7: 孤高の天才】

2022年7月

私は現在会社を退職し、いまや四六時中イラストを描き続ける日々。

ICHIGO師匠が動画にしてくださったこともありました。

幸い、以前の給料より稼げてはいますが
私はこの生活が続けられるのなら多少の金銭的な不遇は受け入れるべきだなと考えてはいます。

もちろん

そりゃ大金持ちになりたいし
地位も名声も
あったら良いですが

そうじゃなくて
NFTでもなんでも、勝ち上がりたい理由が一つあって

私のような野良犬が勝ち上がると言うルートは、きっと必要だと思っております。

持ってるやつに持ってないやつが、たまには勝つと思ってたいやつ。

そう言う世の中の方が絶対楽しいと思うんですよね。

努力は実るって軽々しく言えない世の中じゃないですか。
それはそうだと思うんですが、でもそれすら誰も胸張って言えないってなんか、悲しくないかな?っていうか

綺麗事が進むきっかけ、行動の源の人がいても良くない?って言うか
それはそれを選択した人が悪いんじゃなくて
それだと生きていけない方がおかしいって思うんですよ。

だから前に中々進めない人とか、勇気がない人、落ち込んじゃった人とか
そう言う人にちょっとは寄り添える活動にしていけたらなって思います。

自分が絵を描いたり、何か行動を起こすことで
世の中とまでは言わないですが、周りがちょっとでも救われるような。

さいとうなおき先生にはなれなくても
あなろぐおうじならなれそうだよねって

一枚絵をたくさん描くのは難しいけど
透過を使ったイラストならできそうだよねって

道を辿るよりも、道を作るような
そう言う気持ちでこれからも活動していきたいなぁと思います。

力をつけて、そう言う力の使い方を出来たら、素敵だなって思ってます。

だからまだまだいきなり勝手なことやると思うんですよね。
ついこないだもコラボ作品なのに
以前売れ残って不人気だってわかってるティムバートン風の絵柄使ったりするんですよ。

patched dolls コラボレーションイラスト 元飼い主『KATEちゃん』

案の定売れ残って申し訳ない気持ちでいっぱいですが…
でもきっと大事なことなんですよ。

ダメだってわかってるからこそ正解にしないと。

そう言う気概で、あと10年は描けますから!
なんもなくてここまで描けてきたんだから!

それでもね、どんどん価値をあげて、証明していきます。

そんな誰とも相容れぬ選択をした私を見て、時に孤独を感じることもあるかもしれません。

でも大丈夫です。

だって私ほら
知る人ぞ知る

孤高の

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