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“一流の仕事”に触れたとき

自分が「客」としてサービスを受ける時
「素晴らしいな…」と思う対応をしていただくことが
時々あります。
今回は、その中でも特に今でも心に残ること
「カスタマーファースト」「ホスピタリティー」とは
こういうことなのか!と学んだ出来事をお話します。


長女が大学2年生の時、アメリカに留学しました。
留学を見据えて選んだ大学
実際に行くためにはさまざまなテストやTOEFLの基準点超え等
高いハードルもありましたが、1年間で何とかクリア!
秋の入学に間に合いました。
バタバタと荷造り、出発準備に明け暮れた夏
いよいよ出発の朝となりました。
空港で同じ大学に行く友人たちと合流し
気分が高揚してはしゃぎがちの長女と対照的に
初めて姉と長く離れることが辛くてたまらない次女は
最初から最後まで泣きどおし…
私も娘を異国に長期間行かせる不安と
娘の挑戦を応援したい気持ちの両方で
泣き笑いしながら飛び立つ飛行機を見送りました。


事件は帰宅後に起こりました。

経由地の成田にいる長女から電話
「到着したらむこうの大学に渡すはずの書類がない!」
手荷物でクリアファイルに入れていたはずの大事な書類一式が
ファイルごとなくなってしまったとのこと。
「成田に着く前にもうなかったからそっちの空港しかない!」
パニックになっている長女を落ち着かせ、大学への連絡を指示
私はこちらの空港に問い合わせました。
空港はなかなか複雑で、落とした場所によって連絡先が違います。
そもそもどこで落としたかわからないのに…
私は長女の行動を思い返しながら
空港ビルの警備室と利用した航空会社に問い合わせました。

どちらにも届いていない…

届くまでに時間がかかることもあるから、と言われ
数日後にまた問合せることにしました。

(幸い、大学側も留学先に連絡してくださり
見つかり次第郵送で送ることで承諾いただきました。
とはいえ、見つからなかったらどうすれば…
不安な日々でした。
長女には多くの方にご迷惑をおかけしていることを伝え
猛省を促しました。)


数日後、私が問い合わせるよりも先に電話がかかってきました。
航空会社の支社の方からでした。
「お嬢様の書類ですが、空港ビルに保管された後に
警察の方に移管されたとのことです。
恐れ入りますが警察で受け取っていただけますでしょうか。
ご連絡が遅くなって申し訳ございません。」

え?

空港ビルに保管された、ということは
そもそも航空会社の管轄外で落としていたということ
もしかしてわざわざ空港ビルに問い合わせてくださった?

「留学されたお嬢様の大切なものということでしたので
気になりまして… 見つかってよかったです!」

ひとりの搭乗者の忘れ物に
忙しい業務の中、時間を割いて対応してくださったの?
ここまでしてくださるなんて…

その後、警察で受け取った書類は
無事に海を渡り、娘の元に届けられました。
(ご迷惑をおかけした皆さま、申し訳ありませんでした。)

私の心にはいつまでも感動が残りました。

この素晴らしい仕事をされた方のことを
ぜひ同じ会社の皆さんにも知ってほしい
思い切って、感謝の気持ちを込めて
航空会社の「お客様相談室」にメールをしました。
今回の出来事、担当の方の心のこもった素晴らしい対応
家族がどれほど感謝しているか、を伝えました。

すると、なんと30分後(!)に室長のお名前でお返事が!
「お褒めの言葉をありがとうございます。
社員としては当然の行動をしたつもりかと存じますが
○○様に喜んでいただけて何よりです。
つきましてはお願いがございます。
今回の件を社内報で他の社員にも伝えてよろしいでしょうか。
当該社員のモチベーションにもつながると思うので…」
確かこういう内容だったと記憶しています。

担当してくださった社員の方も
すぐにお返事をくださった室長も
皆さんご自身の仕事に誇りを持ち、心をこめて行っていらっしゃる。
改めて素晴らしい会社だなと思いました。

個人的に、どちらかといえば飛行機は苦手で
乗る前にはいつも覚悟を決めて乗るくらいのびびりなのですが
こんな航空会社の飛行機なら命を預けられる
そう思いました。

見た目だけのサービスではなく
常に相手のことを考えて心を込めた仕事をする。
自分が仕事をする上でも見習うべき大切なことを
この出来事で学んだ気がします。

今でも我が家では
飛行機を利用する時にはほぼこの航空会社を利用しています。

素晴らしい仕事がファンを作る
このことも証明した、今も忘れられない出来事です。




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