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投資信託のよくある誤解

舌足らずの私は人からよく勘違いをされることが多く、特にエレベーターを降りる時に「誤解です」と言われるんです・・・

というオープニングジョークがすべったところで、今日は初心者向けに投資信託のよくある誤解について解説します。いや自分は誤解なんかしてないよという方もぜひお読みください。

投資信託は初心者の道具

よく投資信託の紹介記事で、「投資信託はプロに運用をまかせるので初心者でも安心」みたいなことが書かれていることがあります。では上級者は投資信託を使わないのか、と言えばそんなことはありません。特に下記の理由でよく利用されます。

投資信託しか投資できない

投資信託にはいろいろな投資先があって、中には投資信託しか投資できないものもいくつもあります。

例えば、これからは最後のフロンティアと呼ばれるアフリカが有望だと考え、アフリカ企業に投資したいと思ったら、日本からは以下のような投資信託を買うのが一番手っ取り早いです(他の投資方法はあるかもしれませんが私は知りません)。こういう投資信託は初心者向きではなく、むしろ(その地域の実情をよく知っている)上級者が好む投資信託だと思います。

(お断り)上記はただの一例であり、アフリカへの投資を推奨している訳ではありません。

ちなみに、本題からは離れますが、「投資信託は初心者でも安心」という謳い文句は全く信用してはいけません。少し調べればすぐに分かりますが、毎年損失ばかり出している投資信託も数多くありますので1ミリも安心できません。

手間がかからない

今は便利な時代になりましたので、株式投資についても自分自身でかなりのことができるようになりました。例えば、GAFAM の株がほしいと思えばアルファベット、アマゾン、メタ、アップル、マイクロソフトなんかの株をそれぞれ直接買うこともできます。

ただ、これを少しずつ買い増ししたり、あるいは利益確定したいと思って個別の株についていちいち注文を出すのは結構大変です。またドル建てになるのでドルで資金管理する必要もあり、正直なところ面倒です。それに対し、投資信託一つを買ったり売ったりするだけで調節できるので、非常に楽です。むしろ細かく売り買いする上級者こそ、こういう投資信託を利用していると思います。

このように、まとめてどこかの国・地域やテーマ(AIとかヘルスケアとか宇宙関連とか)に投資したい時はとても便利です。つまりプロに運用をおまかせしたいから利用するのではなく、投資先の選定や売買タイミングの判断は自分でやるからその投資先に合った企業をまとめて持っておきたい、という時に投資信託はよく利用されると思います。手間を減らしたいから投信を利用するだけでプロの手腕など信じてない、ということですね。

投資信託は長期投資の道具

投資信託というと長期投資というイメージがついていて、確かに長期投資に向いた道具だというのはその通りだと思います。ただ、別に一度買ったら数年放置する必要はなく、1ヶ月や1週間で売り買いしても全く問題ありません。投信の値動きは1日単位で売買に1日か2日かかるので、さすがに毎日売り買いする道具ではないですが・・・

実際に、私は1週間単位で買ったり売ったりしています。ただ、私の場合は短期売買をしているというよりは、同じ投信で毎週少しずつ投資額を調整するために売買している、と言ったほうが正確ですが。

ETFがあるので投資信託は不要

これは半分くらいは正しいです。ETFが何かという説明はしませんが、同じ投資先であれば ETF のほうが信託報酬が低い場合が多いのでお得です。また1日に1回しか値段がつかない(売買チャンスがない)投資信託と違って ETF は株式と同様に日中売買できますので、売買機会が多いという意味でも ETF が有利です。

一方で投資信託のほうが有利な面もあります。まず、投資信託は積立ができます。設定しておけば毎日や毎月少しずつ買付することが可能で、これは ETF ではできません。次に、少額でも買えることで、投資信託の多くは一口 100円が最低単位なので、例えば1,000円あれば10種類の投信を買うことができます。ETF は株価がまちまちですが、少なくとも一口 100円で買えるものはほとんどありません。

信託報酬が高いものは買ってはいけない

信託報酬とは簡単に言えば保有時に1年間に支払う手数料です。確かに、投資先が同じであれば信託報酬が少しでも低い投信のほうが好ましいのはその通りです。

逆に、信託報酬が高いのを毛嫌いして絶対に買わないという方も多くいます。例えば、信託報酬が2%とか3%という投資信託も実際にあります。

これって社員の給料と似たような話だと思います。いくら給料が高くても、もしそれに見合った仕事、あるいは給料以上の仕事をしてくれる人材であれば何も問題はないというか、むしろありがたいですよね。投信も同様で、信託報酬が高いから無条件に駄目というのは視野が狭すぎだと思います。そうではなく、信託報酬以上の仕事をしているかどうかを厳しく見ることが大切なのだと思います。

ちなみに、公表されている投資信託の値段(基準価額)は信託報酬を引いた後の値段ですので(信託報酬は毎日引かれている)、基準価額が順調に増えていれば信託報酬は全く気にする必要がない、と考えることもできます。もし信託報酬が3%で年間30%上昇している投信と、信託報酬が0.1%で年間1%上昇している投信があったらどちらを買いたいですか?

毎月分配型は買ってはいけない

毎月分配型は税金の関係で不利なのはよく言われている通りです。従って毎月分配型を買ってはいけないというのも半分くらいは正しいですが、無条件に毎月分配型を毛嫌いしてはいけません。

通常は資産成長型と毎月分配型の2種類を用意している投信が多いですが、中には毎月分配型しかない投信もあります。その投信の成績が良ければ買ったほうがいいと思うので、毎月分配型をすべて排除するのは視野が狭いと思います。

まとめ

というわけで、投資信託はとても便利な道具なので、ぜひ利用しましょう。ちなみにこの記事は投信のPR記事ではないですが、投信協会や証券会社からの記事執筆依頼を歓迎します。なんか来ないかな笑。


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