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運動器の解剖学⑮(骨学各論)膝蓋骨

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膝蓋骨
Patella

大腿四頭筋の中にできる逆三角形の巨大な種子骨.膝関節前面を被い大腿骨とのみ連結.膝関節の屈曲の際,大腿骨は膝蓋骨の関節面上を滑るが膝蓋骨自体は膝蓋腱によって下方から固定されており上下へ移動しない.

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①膝蓋骨底base of patella
②外側縁lateral margin
③内側縁medial margin
④膝蓋骨尖apex of patella
  ▲Sindig-Larsen-Johanssen 病
⑤関節面articular surface
  ⑥内側(関節)面medial(articular)surface
  ⑦外側(関節)面lateral (articular)surface
  ⑧垂直稜vertical ridge
Q角(Q-angle;quadriceps angle)

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①膝蓋骨底 ②外側縁 ③内側縁 ④膝蓋骨尖 ⑤関節面 ⑥内側(関節)面 ⑦外側(関節)面 ⑧垂直稜

膝蓋骨の特徴

膝蓋骨底(てい) 膝蓋骨の上縁部分で三角形の底辺にあたる.大腿直筋(大腿神経),中間広筋(大腿神経)が付く.
内側縁 膝蓋骨の内側部分.内側広筋(大腿神経)が付く.
外側縁 膝蓋骨の外側部分.外側広筋(大腿神経)が付く.
膝蓋骨尖(せん) 膝蓋骨の下端部.膝蓋靱帯が付く.▲この部の骨端症はSindig-Larsen-Johanssen 病.
関節面 後面にあり大腿骨の関節面(膝蓋面)と膝蓋大腿関節 (PF関節) をつくる.内側(関節)面,外側(関節)面の2つに分かれ,間に垂直稜が形成される.内側関節面は平面~凸状,外側関節面は凹状であるが,これはQ角(Q-angle)により大腿四頭筋の力学的ベクトルの総和が外側に向くことが関係している.Q角は上前腸骨棘から膝蓋骨の中心への線と膝蓋骨の中心から脛骨粗面の中心への線との角度で,男性15°以内,女性20°以内が正常とされる.▲Q角が大きいと膝蓋骨の外側脱臼や膝蓋大腿関節症(PF障害)の原因となる.

関節面の特徴

形状・・内側面は平面からやや凸状、外側面は凹状を呈す。
面積・・内側面は狭く、外側面は広い。
関節面の角度・・前額面に対する関節面の角度は、内側面が大きく、外側面は小さい。レントゲンのスカイランビュー(軸写)で関節面の角度は確認できる。


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