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コロナ禍、燃え尽き症候群の看護師を救いたい 一般社団法人with 石 葵 ー課題解決P2期振り返り


石葵さん

参加の動機についてお聞かせください
 2019年COVID-19の発生以降今日まで、多くの医療者が非日常診療への対応、非接触型のコミュニケーション、オーバーワークなどの状況にあります。さらに、日常の会話が制限され気軽に同僚に相談する機会も減っており看護師が悩みを一人で抱え鬱積していく現状にあります。このような状態が長期化し、バーンアウトの症状を呈している看護師も増えています。大病院や看護協会でもメンタルヘルスに関する事業を展開していますが、組織に属せずメンタルヘルスケアを受けられることができる場所がある方が良いと考え、病院を退職し起業しようと考えました。しかし私は、起業や経営の知識もスキルもなかったため、メンターがいるアンカー神戸に入会したところ、課題解決プロジェクトがあることを知り参加を希望しました。

 どんな課題に取り組んだかお聞かせください
 看護職は命に係わる専門職であり、大きなやりがいを感じる一方、バーンアウト(燃え尽き症候群)のリスクが高いと言われています。それに加えCOVID-19の発生以降、差別や過酷な職務環境にさらされています。看護職の需給見通しを見てみると高齢化に伴って医療・看護が必要度は増しますが、その需給見通しは厳しいです。そこで、看護師や看護管理者が気軽に相談やサポートを得られる場所を作り、日々看護に取り組む看護師や看護実践を支える看護管理者をサポートできるように取り組みました。そのことで、看護職のメンタルヘルス不全の予防ができ、看護職が離職することを防ぎ、良い看護の提供や看護師不足に少なからず寄与できると考えました。 



4ヶ月の活動内容、活動の成果、今後の事業の展望・目標をお聞かせください
 課題解決プロジェクトでは、起業セミナーや書籍で学べないことが学べ、具体かつタイムリーにサポートを得ることで起業まで不安なく進めることができました。また、一人でなく、チームで取り組めたことが心強いとともに、いろいろなデイスカッションやアイディアを捻出できたり、人とのネットワークも広がり楽しく取り組めました。
 課題解決プログラムの開始初期より私が取り組んだのは、ビジネスモデルの構築です。様々なフレームワークから、ビジネスモデルキャンパスを基本に自分のペルソナ、提供価値、チャンネルなどを検討しブラッシュアップしていきました。また、サービス内容についても4Pモデルから具体的に整理しました。フレームワークの活用やビジネスモデルを構築することでサービス関連図や事業計画書を作成することができました。また、理念の検討も行い事業計画の全容が可視化でき、一般社団法人を設立し起業しました。現在、事業計画やビジネスモデルキャンパスに基づいて事業を展開・広報活動を行っています。
 現状、法人設立の広報とともにカウンセリング・コーチングを中心にサービスの提供を行い、サービスの実績、成果を蓄積している途上にあります。今後、認知度が高まり、利用やのネットワークが構築できれば、ワークショップを企画・開催し、コミュニティで看護管理の問題解決を図っていきたいと思います。                                
 

メンタリングの風景


メンターはどのように活動し、どの様な存在だったか。具体的エピソードを添えて教えてください
 起業まで、私の意志を尊重しながら伴走してくれた存在です。起業に関する知識やスキルが全くなかった私に、起業セミナーの受講やビジネスモデルキャンパスの構築など具体的に取り組むべきことを提案してくれました。また、私のペースや理解に合わせ、理論のみならず、基本的姿勢や優先度を示してくれました。そのため、何からやればよいか分からない状態から、起業まで不安なく進めてこれました。
 メンターは、メンタリングにおいて常に私の意思や思いを聴き、ペース察しながら伴走してくれました。4か月を通して、今後私がコンサルテーションに入る際などにメンターとしてどうあるべきか、その姿勢をも学ばせてもらいました。


活動を終えての感想をお聞かせください
 課題解決プロジェクトに参加し、不安なく起業できました。また、アンカー神戸に入会したことで様々な方との出会いがあり、世界が広がりました。親身になって相談に乗ってもらえたことや、いろんな方が様々な課題に取り組まれていることに触れ、とても励みになり感謝しています。
 
プロフィール
会社名:一般社団法人with
氏名:石 葵
私は、看護師免許取得後、看護実践、看護師のメンタルヘルスに携わりました。多くの看護職や看護管理者交流を深めるうちに組織内のみならず、組織外に看護職に寄り添い気軽に話せ、成長をサポートする場所が必要と考え「ナースにこそケアをwith」を立ち上げました。
「ナースにこそケアをwith」は看護職・看護管理者へカウンセリング、コーチング、コンサルテーション、コーディネーション、ワークショップを提供します。
「ナースが自分らしく生き、自分らしく看護できるよう寄り添い伴走し看護に貢献できること」を目指し、一人一人を大切にサポートします。
看護師特有の悩み、不安、苦悩、葛藤、同じ看護師だからわかることがあります。
「ナースにこそケアをwith」は安心して話せる場所です。誰でもない大切な自分のために、ご自身のペースでぜひご利用ください。

メンターの大津留さん

メンター
大津留榮佐久
(一社)OSTi・オスティ代表理事、科学技術振興機構(JST)共創の場(COI-NEXT)アドバイザー、大阪大学 量子情報・量子生命研究センター(QIQB)特任教授
米半導体大手Texas Instrument Japan入社、約22年間在籍中、技術マーケティング、システム/カスタムビジネス開発等のマネージャー歴任。2001年よりソニーセミコンダクタ九州(株)SIP事業部長、国際資材調達部門長等を歴任。2005年九州大学工学研究院特任教授を経て、2007年から10年間、福岡県の先端半導体産業創成を目指した文科省地域イノベプログラムの事業総括に従事し、2期(5年間×2)続けてS評価を取得。 その経験を活かし、2017年より中部経済連合会における事業開発プロデューサーを務めた後、中部ニュービジネス協議会で大学発スタートアップ支援に関わっている。また大阪ガスビジネスクリエイトでは、MOT専任講師として「事業開発型研修・ワークショップ」にて数多くの新規ビジネス創成・中期計画開発に貢献している。(15年間累積:3500名以上の受講者・年間約20件プロジェクト創成実績)

神戸新聞12月4日付朝刊社会面トップ記事として取り上げられました。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202211/0015811250.shtml

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