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あの子は誰でもいいから愛されたい?

あの子は
中学1年生の終わりから高校2年生まで
一緒にいた元カレが忘れられないんだ って。

たしかに

(あの頃の私たちには一生と同じくらいの)
4年間隣にいたら中高の思い出が元カレしかいない。

あの子と毎回会うたび「ヤツは〜」って話初めて
少女漫画の主人公にしてくれたんだって話終わる。

さらには最悪なことに 出会う男の子男の子 を
ヤツと比べてしまって   だからか
ヤツを想い出してしまって だからか
毎回なにかが違うという思考回路に溶けていくのだ

まあまあ恋人に発展しなかったりする
まあまあ告白される前に引いてしまったりする

実はあの子がヤツとの思い出に呪いをかけている
実はあの子の中のヤツはいつも制服を着ている
ほぼ一緒に登下校して、ほぼ一緒に教室で過ごして
そりゃあさあさあヤツから抜け出すのは難しい

つまり あの子は制服を護ってるヤツが好きだった

はいはいはい 理由があるから発言していいですか
(どうぞどうぞ 赤裸々に)(恐れ入ります)
高校の制服を脱いで私服になった頃 うきうきして
ヤツとあの子が久しぶりに会った日 怒りながら

「ヤツは落ちぶれた あの頃のヤツはもういないの」

ってあの子は口に出していたんだ 確定だろう
少女漫画の中のヤツは 今はただの大学生だ
少女漫画の中に連れ込むのはだいたい制服だ
そんなわけで 少女漫画は絶大な人気を誇っている

そんなあの子は今回
地元で1番人気の男の子といい感じらしく

あの子曰く

「3回目で告白するかしないかで
 発展するかしない分かれる」


らしい。

3回目の法則が好きらしい あの子まさかの
いい感じの男の子にそれを言ってしまったらしい
重要なのは3回目だよねって言ってしまったらしい

多分頭がおかしくなってしまっている呪いのせいだ

あの子の待ちに待った あの子が好きな ‘3回目’
告白をされた? いいえ ドタキャンを喰らった

新しい男の子は 理由として
付き合ってた彼女と最近別れて 
誰かと付き合う気になれない ごめんね とのこと
うん うん うん わかった また今度にしようか
は? は? は? なんで? また今度はないよね

夜中にわたしを呼び出したあの子は 泣いていた
告白され付き合うと思ったあの子は いなかった

男の子すぎるなそのセリフとかまあなんかぽいことを並べてあの子の話はあまり冷静に聞かないようにした
なにも冷静な返答はやめるべきだって知っているから

すごく可愛かったのになあ
その新しい男の子の話する時
制服を着たヤツを超えて
片思いをしてしまえって思ったのになあ

嫌になってしまって 缶チューを1口より多く飲んだ

告白するされる機会すらないあの子はどんな気持ち
なんとなくあの子は先走りしてしまった気もする
もう少しだけでいいから焦らずゆっくりと
新しい男の子を知ろうとしてもよかった気もする
でも新しい男の子は2回目で決めてたのかも知れない

言っちゃダメだから言わない 我慢した
これはあの子がヤツの呪いから抜け出さないとだめだ
言っちゃダメだから言いたい 押さえ込んだ
制服のヤツはいつまであの子に取り憑くんだ

好きになったら 好きですって素直にかわいく
高校の時ならちゃんと言えたのに
好きなそぶりだけなら私どっか行くからくらい
高校の時ならちゃんと言えたのに

ちゃんと切なそうに ちゃんと悲しそうに
失恋したあの子は元彼氏のヤツと2日後に会ってた

どうしようもなく頭の悪いあの子は人間向いてる
愛されたくて 愛されたくて 
愛してくれないヤツに愛されにいってしまう

ぶっ飛んでるあの子がわたしは好きだ

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