今回の軍事作戦について、プーチンの精神異常を疑うような意見も出てきているようです。
　震災後の異様な空気感の立ちこめた10年間を見てきて、人間は異様な環境に置かれれば正気のまま狂う、本人もそれと気づかず、まわりも気づかないまま、というのが正解なのではないかと思っています。
　おそらく我に返ることもない、自分自身でもあのときの自分が狂っていたとは思わない、そういう時こそがもっともおそろしいです。いま現在も、そうした方はいらしゃると思います。

■マイホームの下に除染土が…知らずに新築　保管が長びき搬出困難に（朝日新聞）

福島県内で行われてきた除染土は、双葉・大熊両町にまたがる中間貯蔵施設に搬出・搬入され、今年度3月末までのほぼすべて完了する予定です。

ただ、除染を開始した直後、中間貯蔵施設に搬入する前の「仮置き場」が見つからなかった都市部の住宅地では、敷地内保存ということで、住居の敷地内地面下に埋めたところもあります。

それが、所有者が売買で変わったり、上に構造物を立てるなどをして搬出できないままになってしまっている、というニュースでした。

これは、搬出までに時間がかかればこうなるのはわかりきっていたことだと思います。また、「除染廃棄物が埋まっている」というと、驚かれると思いますが、自然減衰していますので線量を測ってみれば（ほぼまちがいなく）大したことがないものがほとんどで、もともとは敷地内にあった表土ですから、それ以外に有害物質が入っているわけでもありません。

上にある構造物を除去してまで運び出すメリットはほとんどない、と私は思います。もし運び出したいというのならば、構造物を撤去するタイミングなどに行えば十分だと思いますし、そのままでも差し支えないものが圧倒的多数でしょう。

こうしたことは、福島県が前面に出て調整すべきだと思いますが、万事が万事、面倒くさいことは「国に丸投げ」の現福島県知事が、こうした絶対に必要だけれども泥をかぶる仕事をすることは望み薄です。
県知事というのは、メディアに露出して自分に都合のいい報道をしてくれるメディアを厚遇して、泥をかぶらないように徹していれば、周囲も褒め称えてくれて地位が万全安泰みたいなので、ずいぶん楽な仕事だなと思います。
これなら、5期でも6期でも続けたいでしょうし、なんなら終身県知事にでもなりたくなりますでしょうね。

■原子力規制委員長「廃炉の終了時期を見通すことは不可能」

国が30〜40年後に終わらせると「なんとなく」約束している廃炉時期は、実際には無理だろうとはかねてから指摘されていました。
今期で退任される原子力規制委員長の更田氏が「確定するのは無理」と明言されたとのニュースです。いろいろと申し上げてまいりましたが、まずはお疲れさまでした。

規制委員会は、原発事故のあとに事故の教訓を汲んでできた組織なので、いろいろと課題は指摘されつつも、まだそれでも事故の教訓を生かさなくてはと思われているのだろうと思います。
廃炉に対しては、なにをもって「廃炉」とするのかも定義されておらず、またそもそも廃棄物をどうするかも定まっていません。これは先の話と思われるかも知れませんが、結局、出た廃棄物をどこまで処分するかによって、廃棄物の放射性物質の濃度もかわってきます。放射性廃棄物は、基本的に量を減らせば濃度は増えます。どこまで量を減らしどの濃度の放射性レベルにするかによって、処分方法は大きく変わってくるのです。
ここが定まらない限りは、なんの処分もしないまま野積みで放置、ということになります。まだ先の話ではなく、すぐすぐにはじめる必要のある議論です。

■首相、核共有「政府で議論する考えない」：日本経済新聞

非核三原則を見直しを安倍前首相が提起し、保守のみなさんが盛り上げっている件です。

保守の皆さんは、ここにきて勢いがやや落ちてきたとにらんで「岸田いじめ」モードに入ってきているようですが、火事場にこういう議論をもってくるのはいかにも筋が悪いと思います。

どなたも指摘されていないようですが、原子力の平和利用という観点から考えた時に、日本が核所有に踏み出すと、国際的な監視の厳しさは飛躍的に増すことになると思います。原発事故の後始末についても、IAEAはきわめて好意的に対応していますが、それは日本がこれまで拠出金をちゃんと出してきたことなどに加えて、核問題について「優等生」であったからという側面は大きいと思います。

保守のみなさんは、国際的に日本が非核政策を取っていると認識されていることが、どれほど対外的にやりやすさをうんでいるのか、自覚が薄すぎるのではないでしょうか。

「唯一の被爆国」という日本が存在感を発揮できる箇所も、核所有国になれば吹っ飛びます。そうなると、売りだった「科学技術」も既に落ち目ですし、漫画やアニメも中国などが既にクオリティをあげてきているとのことですし、本当になんの売りもとりえもない中規模国家になってしまうような気がします。