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人生究極の1杯をクリエイトする

人生は短い

NO TIME TO DIE
死んだように生きる時間は、もう無い
死んだような二日酔いも二度と勘弁してほしい。

世界に星の数ほどある酒を全て飲むことは不可能だ。
テキーラ、ウォッカ、ジン、ラム、ウイスキー、ブランデー、
学生時代から集めていたハードリカーも全て飲みきれば身体を壊す。
所有している酒を全て飲む為の肝臓も無い。

死ぬほど旨い一杯を目指そう

そうなると最近いかに「最高に美味しく飲むか」を考える。

「あの時飲んだ酒がたまらなく美味しかった」という思い出が誰にでもあると思うが、できればあの感覚を毎回感じながら飲みたい。

例えば、私は007ジェームズボンドのファンで、ボランジェからリリースされる007限定ボトル、25作目の“No Time to Die”VERSIONを手に入れて、どうやって飲むのが一番良いかを考えていた。

この時は映画館で観た後にでも飲むか、と考えていたらコロナで公開が延期になって、ずるずると先延ばしになり熟成は進んでいった。

そして機は熟し、最高の飲酒を決行

ターゲットはこのボトル。パートナーは最強のチェイサーヒルドン。世界の名だたるワイン機関でも採用されるワインの余韻を壊さない水。最高の飲酒は余韻にまでこだわってこそ。神は細部に宿る。

攻略の条件
1.良い場所であること
2.程よい疲れがあること
3.サウナと水風呂で整うこと
4.映画を観ながら飲むこと

1.良い場所であること

まず場所はエクシブ ラグーナベイコート倶楽部に決定


実に007っぽい建物。

このシャンパーニュを楽しむ為に考えうる限り最も良い宿にした。

そして酒はご存じの通り満腹状態だと美味しさは半減する。
つまり最高に楽しむ為には夕食からある程度の空腹感を作らないといけない。そうなるとぼんやりしている時間はない、NO TIME TO DIEという訳だ(?)

2.程よい疲れがあること

食事をする時、水を飲むとき、何が一番のスパイスかって、疲れと空腹しかない。ここのジムは最新のマシンが揃っているので、いつもベンチプレスで追い込んでから限界まで走る。

ふらふらするぐらい走ったら下のスパへ。

最先端のマシンが揃う。

3.サウナと水風呂で整うこと

今全国でサウナブームの為、もう会員制サウナ以外で空いているサウナは無いと言える。西麻布にオープンしたテルマー湯は大行列だし。せっかくサウナに行っても水風呂待ちとか、整いスペース待ちは耐えられなくてほとんど行かなくなった、がやはり食事の前にサウナに行くと美味しさが1.3倍ぐらいになるから入りたい気持ちは変わらずある。

個人的にはラグーナベイコートのスパが一番好きだ。サウナはドライで水風呂もシンプルなのだが、外気浴スペースが最強。

水風呂に入ったらバスローブを着て露天スペースのチェアに座れば「もうここで死んでも良いかも」と思えるが死んでる時間は無い。シャンパーニュを飲むのだ。


スパ内は写真NGなので公式ページから。これは露天風呂。後ろに外気浴スペースがある。


水分補給して完全に整う。

ここでビールは飲んだら駄目。1杯の感動が薄れてしまうから。
ストイックにやらないと感動には届かない。

テタンジェがプールサイドで冷えていても飲んでは駄目。

4.映画を観ながら飲むこと

この日の夕食は重要ではない。軽く腹を満たしてくれればOK。
軽く食事をとったら、もう一度スパへ行き、完璧に準備を整える。
虫眼鏡で見ても塵一つ見つからない程の完璧な準備。

風呂に入る前に氷水でしめておく。

人間の印象に残るのは温度の落差、だから1杯目はしっかり冷やす。仕事はきっちりする。休みだがこれは仕事と同じこだわりを持っているからむしろ仕事。

と言うか仕事とプライベートの線引きは無い。砂糖と塩ぐらいの違いでしかない。

全て計算通り、軽い空腹状態でここに着地した。

それでは究極の一杯を頂くとするか。

おぉ…(絶句)この為に一日頑張ったのだと思える…五臓六腑に沁みわたる旨さだ。

2011年のシャンパーニュで、リリースから2年ほど経過しており、熟成感も増し、たまらなく旨い。熟成由来の香ばしい香りときめ細かい泡、ピノノワール主体のコクのある旨味が喉から胃に落ち、ぽっと熱を帯びる。ボランジェは疲れ果てた身体にゆっくりと沁み込んで行く。

夜の帳が下りる。
酔いと映画は進行していく。

映画とシャンパーニュのペアリング

この時のフィリックスは私だったのかもしれない。今後も「今死んでも良い」と思える一杯を追求したい。

最高の一杯を飲んだ後はこのセリフで決めたい。

最後余裕のある方はホテルのフロントに電話して

「冷えたボランジェのグランダネを。それとキャビア・ベルーガを薬味付きで」

と〆るとカッコよい。

限られた肝臓の能力を考えると酒を飲める量というのは人生そんなに多く残っていない。

そうなると良い酒を「たくさん飲む」のではなく、いかに「究極の1杯」を飲むか。

そのシチュエーションの創造は酒のプロとして追求するべき価値がある。

人生最高の一杯をクリエイトせよ
全ては己の中に

NO TIME TO DRINK


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