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深夜の電力(停電の夜に)

2020年4月28日

 4月は残酷極まる月だ。
 今日は一歩も外に出なかった。ここが都心だろうが、郊外だろうが、田舎だろうが変わらない。晴れていたのか、雨が降ったのか。zoomを開いて、会議をして、議事録を書く。zoomを開いて、会議をして、議事録を書く。その繰り返し。
 
 昨年の4月は御岳のボルダーへ行って、デッドエンドに初めて触れた。核心のポケットを一度保持できたので、すんなりできると思ったが、一年かかってもまだ出来ずにいる。4月は残酷極まる月だ。本来ならもう登っていたはずだった。自粛なんてことがこの世からなくなればいい。
 
 9年前の東日本大震災の時、蝋燭を灯して、家族で過ごした。あの頃も、電力消費を自粛した。夜の8時には寝るようにした。電車は計画的に運休となり、通勤と退勤の電車はいつも以上に混んだ。あまりに混雑するので、走って帰ることが多かった。

 今はただ走ってるだけ。さすがに毎日は走らないようにしてる。今日は走らない。走らないと暇でテトリスばかりする。いつのまにか、電力使用を控えることもしなくなった。問題が解決したわけじゃないのに。 

 『停電の夜に』 ジョンパ・ラヒリ 小川高義訳 新潮社  

 今日のおすすめ。
ラヒリの初の短編集。表題作の『停電の夜に』は自身の出自と似たようなインド移民二世の夫婦を描く。結婚して10年も経た今だと思わず泣いてしまうのだけど、まだ女の子と付き合ったことすらなかった当時は、ふーんと思っていた。むしろ『ピルダさんが食事に来たころ』の印象が強かった。

著者は、ロンドン生まれ、両親は軽かった生まれのベンガル人で、幼少期に渡米をしている。ルーツがインドにあるため、小説の背景にはインドの情景が存在している。2000年にピュリッツアー賞を同作で受賞し、一躍人気小説家となった。

在宅は伸びそう。自粛という名の軟禁も伸びそう。営業をする店への妨害を自治体あげてやるんだったら、いっそ営業停止、外出禁止にして仕舞えばいいのに

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