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「猫を処方いたします。 2」

石田 祥 PHP文芸文庫

今回も、猫を処方する「中京こころのびょういん」にまつわる不思議なお話です。

怪しすぎる設定ですが、その処方は相変わらず効きます。

前回も書いたように、猫は効くのです!

波乱の二〇二四年が明けてはや二ヶ月目に突入しています。
いろいろ計画を立て、抱負を抱いて歩み始めようとしているのに、なかなか思い通りにはいきません。

心が砕けそうな人。
海の底に沈んだような気持ちでいる人。
自分の立ち位置を見失いかけている人。
行き先を見失っている人。
自分の中のやる気が消えそうな人。
なにもかも面倒になってしまった人。
生きる意味を問い直している人。
自分の気持ちに押しつぶされそうな人。
心が動かなくなってしまった人。


そんなときは、猫を服用してみるのがいいかも知れません。

今回も、「中京こころのびょういん」のニケ先生の言葉を引用します。

ニケ先生の話を聞くときは、くれぐれも自分の常識にとらわれないようにすることが大事です。
ちょっとだけ猫の立場で物事を見てみると、ヒントが得られるかも知れません。
それが猫を服用するときの、唯一の注意事項です。

夜型でええやないですか。夜のほうが楽しいですからね。
静かやし、狩りもしやすいし。暗いほうが良く目も見えますからね。

人間は夜行性が悪いことみたいに言いますけど、違いますよ。見んでもええもんを見ないで済む分、絶対に見なあかんことだけ目に入ってくる。ちょっとの光だけで夜道を歩ける猫みたいにね。

痛いところは、実はそこが悪いわけとちゃうんです。別のところが引っ張るから、そこが痛くなるんです。痛いところに猫貼るより、別のところに貼ったほうがええですね。

小さな檻の中だろうと、広々とした空の下だろうと、自分の世界を作り出せるんが猫です。それはその子だけの世界で、人がどうこうできるもんやありません。向こうからええよって言うてもらわな、入ることもできひんのですよ。扉が開かへんように。

やりたいことはやる。やりたくないことはやらない。

猫はね、あなたが思っている以上に強いですよ。猫が目を閉じて、眠ってる時、そこに浮かんでるのは楽しいことです。たとえその時が一人ぼっちでも、猫は楽しい夢をみながら逝けるだけの強さを持ってるんですよ。なんてったってどんな悩みも治してくれますからね。

最後の引用は、ある猫の回想です。

私は誰もいないところで、一人で行きました。それでも寒くなかった。寂しくもなかった。私は最後まで彼女と一緒にいて、最後まで幸せやった。猫が人を愛するというのは、そういうことなんですよ。


猫の存在とニケ先生の言葉で、あなたがはまっているかも知れない「沼」から抜け出すきっかけになりますように!




前作についてはこちらで書いています。





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