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「株式会社タイムカプセル社」を読んで

株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン

未来の自分に宛てて手紙を書いたことはありますか。

私はありません。
だから、この本を読んで、書いてみたくなりました。


理由はいろいろあります。


ー今自分が思っていることを書くことで、気持ちをはき出す
 ことができる。

ーただ書くだけではなく、たとえそれが自分自身宛てであっ
 ても、誰かに宛てて書く方が、考えを整理しやすい。

ーちょっと想像してみただけでも、過去の自分から手紙が届
 くというのはなんだかワクワクする。

ー未来の自分が悩んでいるかも知れないことに対して、過去
 の自分の言葉がヒントになるかも知れない。

こうしてみると、手紙を未来の自分に宛てて書くという行為は、今の自分にも未来の自分にも、前向きな効果がありそうです。


この本に登場するタイムカプセル社は、何らかの理由で宛先不明で戻ってきた手紙を、その人物を探し出して届けるのが仕事です。
それも、白の上下のスーツに、白いハットを被った、ちょっと変わった出で立ちの男性が届けてくれます。

十年後ともなると、人生はかなり変化しています。
小学校四年生だった十歳の子どもが、二十歳になっていると考えただけでも、どれほどの変化があるのか容易に想像がつきます。

宛先不明で戻ってきた手紙を書いた人たちには、往往にして、複雑な事情があります。
その手紙を受け取ることを拒否したり、容易に受け取れる状況になかったりと様々な事情があります。
だから、全身真っ白なこの紳士は、ただ手紙を配達するだけではなく、心理カウンセラーのような役割も果たします。

この本には、励まされる言葉がたくさん登場しますが、それは、実際に本を読んでご自身で触れていただくのが、一番効果がありそうです。

作者の喜多川泰さんがあとがきで書いた一段落を、引用します。

人はいつも聞いている言葉に影響を受けて「性格」を作っていきます。そして、圧倒的に一番聞いているのは「自分」の声です。だから想像の中の偉人であれ、なんであれ、自分の中だけで続けられている会話、そこから聞こえてくる「言葉」を変えれば、性格が、そして人生が変わっていくのです。

言霊を侮ってはいけません。
とても大きな影響力があります。
本を読んで、たくさんの前向きな言葉を自分の中に「友」として蓄え持つことで、自分で自分の支えを作ることができるような気がしています。



主人公が思いの丈を話す場面があります。この言葉を伝えたかった相手は、残念ながら、もうこの世にはいません。でも、だからこそ、余計に、この言葉の威力が強くなっているように感じられます。

向かい風が強ければ強いほど、翼を広げれば空に飛び立てるんだ。だから勇気をもって翼を広げてみなよ。怖がることはない。経験したことがないほど強い向かい風は、今いる場所から一気に飛べって合図だよ。ふわって浮いて、高く高く飛べって合図だ。 ー中略ー これはピンチじゃない。絶対にチャンスの風だ。

苦しいことが多い人生。でも、苦しいときこそ、一気に高く飛び上がれるチャンスでもあると、この言葉に励まされます。

ちゃんと使えば、「言葉」はやっぱりいい。


さあ、私も、数年後の自分に宛てた手紙を書いてみようかな。



ちなみに、世の中には、さまざまなタイムカプセルサービスがあるようです。ひとつだけここに挙げてみます。興味がある方は、ぜひ、調べてみて下さい。




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