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絵本「まばたき」

岩崎書店

物音ひとつしない絵本です。

変な表現であることは承知の上です。
でも、読んでみるとわかります。

まばたきをするほんの一瞬の間に起こるできごとを、スローモーションで描いているような絵本です。

左が文字、右が絵の見開き二ページがひとつのメッセージになっています。
登場することばはたった五つ。

しーん
カチッ
はっ
ちゃぽん
みつあみちゃん

それだけに、絵と合わさったその文字のインパクトは強力です。

まばたきをする間の話ですから、息をせずに読み終えたような感覚すらあります。

そして最後の四ページだけ、それまでとは逆の左が絵、右が文字のスタイルに入れ替わっています。
この四ページにこの絵本の意図が凝縮されています。

そこではじめて、まばたきの意味を、言葉としての意味だけではなく、皮膚感覚として理解します。

心して生きなければ。
静かにずしんと胸に響く絵本です。




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