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自覚のない偶像3

まず流れてる音が良くない。
なんというか音質がなんか悪い、あんまりクリアじゃない。
それ以前に事前に見た情報で期待感が持てなかった。
そんな理由でライブに集中できない。
共感が出来ないのだ。
なんというか、家電量販店とかで実演販売があったとして「この商品は全然性能良くないです!並以下です!でも僕ら頑張って売ってます!!どうか買ってください!!」と言われてるような気分のするライブなのだ。
アイドルの子は本当に必死に動いている。
そう必死なのだ、動きがどこか硬い。
それでなんか引いてしまう。
この状況何なんだろう。
必死なのには理由があるが、あとで分かる話なのだ。
そしてそのアイドルのオタクが猛ダッシュで舞台前に行ってお花の造花や首かけのレイを渡している。
どうやらこのライブはおひねりシステムがあるらしく、500円でお花、1000円で首かけのレイを買って演者さんに渡せるのだ。
大衆演劇でよくあるシステムである。
この温泉施設でやってることをこのライブでもやっているんだろう。
2曲終わってMCが始まる。
初めてこのおひねりのあるライブをやってるらしい。
なんというか、メンバーが軽く殺伐としている。。
メンバー間で順位付けをするのが嫌なんだろう、どこか牽制し合ってるようなそんな空気を感じた。
一番人気なのは水色の人、美人そうに見えるが顔がちょっと真顔で怖い。
その次が緑の人、なんかいい人そうな子だ。
この二人がとんでもなくもらっている。
その次がピンクの人、地味だが優しそうな子。
あとはまあどっこいどっこい、一部の人が大量に渡しているような印象だった。
MC中に誰かが大量にお花を渡すのですごくMCの間が悪い。
ずっとなんだかなーと思いながらライブを見ていた。
で、全員のメンバーを紹介するような曲の時に冒頭のアレである。
赤が怒りに満ちた悲しそうな目でこっちを睨んできた。
マジかこいつ。。
アイドルかなんか知らんが睨む前に何かやるべきことがあるんじゃないのか?
何かはわからないけども。
失礼で偉そうだとは思うが、なんとなくそんなことを思っていた。
話は変わるが、皆さんはゴムパッチンというのをご存じだろうか。
バラエティ番組でお笑い芸人が罰ゲームで行う、長い紐ゴムを口に咥えさせられ何メートルか引っ張ったあとぶつけられるアレである。
この子たちの持ち歌の曲のPVでゴムパッチンをやっているらしく、今回その曲を歌う時にゴムパッチンを披露しますと言って曲が始まった。
で、その曲の間奏の間にゴムパッチンが始まった。

このゴムパッチン、とても技術のいる技なのだ。
具体的に何かというと空気づくりである。
人が痛がっても笑いに変えれるように何人もの芸人が丁度いいリアクションをして場を盛り上げ、場の空気を十分に温めてからお客さんの反応を見つつタイミングを計って発射させる、バラエティ慣れしてないと出来ないとても高度な芸なのだ。
とても曲の間奏にサっとやるような芸ではない。

結果はいわずもがな、お客さんが引いた。
俺はそれを見て失笑してしまった。
これがいけなかった。
次の曲になったらメンバーの何人かが俺を見てヘラヘラ笑いかけてきた。
そう、反撃しているのである。
マジで何なんだこいつら。。
なんか腹立つ、こいつらに反撃してやりたい。
何ができるだろう・・・


よし、お花渡すか!
あの睨んできた赤に。


4に続きます。

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