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ゲーム感想記⑧ゼルダの伝説 Breath of the Wild


『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』は前作『スカイウォードソード』まで続いたゼルダシリーズから新しいゲームとして生まれ変わった。様々な点でそれまで「アタリマエ」とされていたゼルダ要素を刷新して、大きな変貌を遂げた。

どこまでも自由

 まず最大の特徴としてはオープンワールドとなり、圧倒的な自由度でプレイできることである。最初の始まりの島は一本道であるものの、それ以後は完全に自由である。開始三十分で最終ボスへとそのまま直行することも可能なのだ。
 もちろんそのままではほぼ確実にやられてしまうため、フィールドを駆け回り、イベントをこなし、主人公リンクも強くしなければならない。その匙加減もプレイヤーに委ねられている。
 本作のリンクでは崖登りのアクションがあり、これがゲージが続く限り行うことができる。これと空中をグライドするパラセールを駆使することにより序盤からフィールドの向こう側、世界の端にまで到達することができる。

 ゼルダシリーズといえば謎解きが大きな要素だが、本作では祠が世界各地にあり、そこで謎解きをすることになる。いわばミニダンジョンであり、これをクリアしていくことにより克服の証を手に入れられる。これは今までのハートの欠片に位置付けられるもので、四つ集めればリンクのハートを一つ増やすことができる。
 それとは別に四つの神殿があり、これはかなり大掛かりなダンジョンでボスが最後に待ち受けている。これをクリアすることにより最終ボスとの戦闘がかなり楽になるようになる。

ミニダンジョンの位置付けの祠。各地に散在し100以上ある

新たな回復手段「料理」

 他に「アタリマエ」が見直された点はまず武器が多様になったこと。従来は基本剣で、ブーメラン等のアイテムをサブとして使用することになるが、今作では斧や槍を使うこともある。また、武器はある程度使うと壊れてしまい、別の武器を用意しなければならないのも特徴である。
 もう一つ新しいのは料理である。今作ではハートの回復方法が従来のように草を刈ったりしてハートを手に入れるのではなく、「料理」をすることによって行われる。オープンワールドゲームとしてよくあるようにフィールドに素材が散在しており、それを料理することによって食べ物が出来、それを食べることによってハートを回復する。今作では敵の攻撃力の強さにかなりばらつきがあり、一撃でハートが5つ消えていくこともザラ。10減ったりすることもある。なのでこの「料理」は攻略上ほぼ必須の要素である。

ハートを回復するためには料理が必要。料理用の材料は五つまで選ぶことができる

どこかマンネリ気味でもあったシリーズに大きな風を吹き起こした本作。圧倒的な自由度によって様々なプレイスタイルが可能であり、シリーズの大きな転回点になったと共に、紛れもない傑作として仕上がっている。どこまでも自由なハイラルのフィールドを駆け巡りながら、その「自然の息吹」を感じ取って欲しい。


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