キラキラの青春

青春映画には、「あの頃の僕らは無敵だったー」みたいな回想シーンが登場しがちだ。

お金はないけど自由がある。
将来に不安がないと言えば嘘になるけど、キラキラしてて最高の時間。
最高の仲間。
漫画の中みたいな理想の青春。

先日、友人の初恋の話を聞いた。
卒業式当日、好きだった生徒会長の第二ボタンを貰いに行ったら、既に帰宅していた。家まで行って「ボタンを下さい」と頼んだら、なぜかワイシャツのボタンを毟って渡して来たらしい。
「やっぱり好きだ〜!」って実感したのだと。
めちゃ良い話だ。

日本のアニメにはたびたび理想的な青春が描かれる。体験はなくとも「青春の様式美」は存在して、作品内であの頃は良かった…と回想されることが多い。

確かに高校生の頃は楽しかった。
しかし、人生って80年くらいあるのに、「人生のクライマックス早く到来しすぎでは」とも思う。
まだ半分もいってない。

お金が自由に使えるようになる分、社会人になってからの方が出来ることも多い。楽しい。
でも、働いてると時間が足りないし、学生時代のような人間関係はなかなか築けない。

学生時代、友人と漫画を貸し借りしていたのが懐かしい。
最近はもっぱら電子書籍に移行してしまった。勉学の合間に、自分の好きなものをおススメし合うのってとても楽しかった。貴重な時間だったな。
中学や高校は校則が厳しかったから、紙袋に入れてコッソリ貸し借りしていた。
今は手渡しで人と品をやり取りすること自体滅多にない。

当時、あまり漫画本を買ってもらえない家だったから、同級生に流行りの本を読ませてもらうのが楽しみだった。

学生時代は長期休みがあった。
今はコロナ禍で海外旅行など当分行けなそうだ。
高校、大学であちこちに行った。アメリカ、フランス、ベルギー、ドイツ、スペイン、ロシア。オーストリア、シンガポール、台湾…。再訪したい国も多いけど、いつになるやら。

私は無敵の高校生活!というタイプでは全然無かったけど、(大学時代も)振り返ると今は出来ないことが沢山あったな。

高校生は色々なイベントや受験などで忙しかったし、大学は課題が多く、大学院は論文執筆に追われていたので、目の前のことをとにかくこなして駆け抜けて来た。

コロナ禍をきっかけに過去を振り返る機会が増えたひとは多いと思う。
私もテレビのニュースを見ていて「修学旅行に行けてよかったな」とか考えちゃう。当時は目的地もありきたりで別に楽しくなかったけど、今思えば貴重な青春時代だったのかも。

もっと歳をとって、息苦しさのあるコロナ禍の今を「あの頃もそれなりに楽しかったな」と、回想出来る日が来るといいな。

日々人生のクライマックス、は流石に無理だろうけど、後で振り返ってそれなりに楽しかったと思えるポイントが要所要所にあるといいな…と思った次第です。

時勢柄、結婚式をやりそびれてしまったので、とりあえずウェディングフォトを撮りたい。
しんどいことも多い世だけど、楽しい思い出作ってこうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?