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4/舞姫


ハリケーンのドレスを着た女がいた。
舞うこと好み。その手に抱いた雲曇、数知らず。
抱きに、懐き。舞っては破壊する。
それがまるで己の使命だと言わんがばかり。

ハリケーンのドレスを着た女がいた。
彼女は、愛情深く、また思慮深い女だった。
しかし彼女の行く道、荒れ果てるが常で、
愛したいモノたち、皆して破壊し尽くされた。
女は泣いた。泣けば雨が降り、地は湿り溢れる。

ハリケーンのドレスを着た女がいた。
雲の隙間に、光差し込み、
太陽が差し伸べる手の数々、まるで慈愛に満ちて‥。
女はようやくして舞う足を止めた。
空を見上げた女は、笑みを浮かべるのであった。

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