アニメーションをクリスタからOpenToonzに持っていく二つの方法
そもそもなぜOpenToonzを使うのか
CLIP STUDIO PAINT EXには本格的なアニメーションを作る機能が搭載されています。
商業アニメーション制作でもクリスタは用いられることは多く、一部のアニメ会社からはクリスタで使えるテンプレートも公開されています。
(参考)
では、わざわざOpenToonzを使わずともアニメーションを作れるではないか。と思われるかもしれません。確かにそうなのですが、クリスタの機能も完璧ではありません。
(元々クリスタはイラスト、漫画向けのソフトなので)色を塗る機能を設計上、どうしてもアニメ作りに最適化することが難しく、色を塗るのにとても時間がかかってしまいます。
たくさんの絵を必要とするアニメーションにおいて色塗りに時間がかかりすぎてしまうのは、あまり好ましくありません。
OpenToonzはアニメーション制作ソフトなので、色を塗る機能もアニメーション作りに特化しています。
なので、OpenToonzにデータを移した方が効率的に作業を行えるというわけです。
注釈
アニメを作るならクリスタを使わず、アニメーション作りに特化しているOpenToonzで最初から作業すればいいのではないか、と思われるかと思います。
しかし、OpenToonzは元々仕上げ(色を塗る工程)〜撮影(カメラワークやエフェクトをつける工程)でしか使われておらず、デジタル作画機能は後づけのものなのです。
なので作画機能は(クリスタなどの他ペイントソフトと比べて)あまりあまり使い心地が良くないのです。
クリスタで描いた線画を出力する
クリスタで描いたアニメーションをOpenToonzが読み込める形で出力する方法は二つあります。
一つ目はOpenToonzシーンファイル出力、二つ目はアニメーションセル出力です。
(二つともクリスタEXにのみ搭載されている機能です)
それぞれの特徴や書き出し方についてみていきます。
OpenToonzシーンファイル出力の特徴
OpenToonzシーンファイル出力は、名前の通りOpenToonz向けにアニメーションを出力できる方法で、大きな特徴としては
タイムライン情報を引き継ぐことができる
出力時に二値化することができる
出力時に線幅調整できる(二値化するときのみ)
OpenToonz側でファイルの変換が不要
解像度情報を引き継げる
などがあります。
ただし、二値化するオプションが足を引っ張っているなどの理由から以下のような制限もあります。
色トレース線に使用できるのは指定の3色
塗り分けは下書きレイヤーに設定する必要があり、使用できるのは指定の8色
一部の記号(「\(¥の半角文字)」「/」「:」「*」「?」「"」「<」「>」「|」)がアニメーションフォルダーの名前に使えない
アニメーションフォルダーの名前の末尾に「_(アンダーバー)」が使えない
特に記号などは使用を避けることは容易なので、問題になるのは色数制限でしょうか。
詳しい使い方については今回は書きませんが以下の動画で解説しています。
アニメーションセル出力の特徴
アニメーションセル出力はアニメーションを連番画像として書き出す出力方法です。
汎用画像形式で書き出すので、出力後、一度OpenToonz側でファイルを変換してあげる必要があります。
線画にアンチエイリアスがかかっているか、塗り分けがあるかないかによっても読み込みの手間や扱いがかなり異なってくるのですが、
OpenToonzシーンファイルよりも多少手間がかかるものの、使える色数が多いというのは大きな特徴だと思います。
アンチエイリアスがかかっている線画でも実線+色トレース線6色の計7色までは読み込むことができます。(二値化もできます)
詳しく書くと長いので、また別の記事にしようと思います。
まとめ
詳しい方法について書いていないので、まだはっきりとイメージが湧かないかと思いますが、端的にいうなら、
スピードや簡単さを求めるならOpenToonzシーンファイル出力、
使える色の自由度を求めるならアニメーションセル出力
といった具合だと思います。
アニメーションセル出力をしたものをOpenToonzに読み込む方法に関してはネット上にもまとまった情報がほとんどないので、また今度きちんと書きたいと思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
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