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「他人が興味を持つ」

優秀な写真家を間近に見てきたから、自己評価では丁稚感覚が抜けきらない。しかし否応なく年齢だけは重ねていて、考えてもいなかった「審査員」というオファーをいただく。

内なる恥ずかしさと戦うために引き受けたけど、あと50年写真を撮り続けたとしても、決して「写真とは」なんて語ることはできないだろうな。

「始めたばかりではヘタなのが当たり前で、恥ずかしいと思う必要はない」という人がいる。たとえば本を出すことは今の時代では誰にでもできても、それが売れるかどうかはまた別の話。

「サイン会に誰も来ない」という厳しさをキッチリ味わえば、まだ本を出す能力じゃなかったんだとわかる。やらなくても頭がいい人は想像できる。

自分がサイン会に行ってまで買って読みたい小説家が何人いるか数えてみるといい。なぜ自分がやることに他人が興味を持つと楽観的に思っているのかが理解できない。

ある小さな貸ギャラリーで初めての展覧会をやった若者がいた。オープニングパーティ用に用意したビールは、1/100も減らなかった。消沈する彼に、「君の前にこのギャラリーで個展をやっていたアーティストを知ってるか」と聞いた人がいる。

「いいえ、知りません」と彼が答えると、「ほらね。君だって誰かがやっている展示を見ていないんだよ」と言った。

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シークレットかかと。
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ワタナベアニ

写真家・アートディレクター。着ぐるみの中は繊細です。1964年生まれ。現在「ロバート・ツルッパゲとの対話」出版準備中。

○○年前の自分へのアドバイス

店舗設計を仕事にして10年超え。就職、独立、結婚、育児。人生中盤スタート地点、キャリアも中堅を迎えた今だからこそ伝えたい、昔の自分へのアドバイス。
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