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飛び降り自殺をするということ。

子供は何を見ても全部が初めてだから、目が輝いている。毎日のすべてが発見と冒険に満ちあふれている。

慣れていくことは「上手になる」以外に、怠惰になっていくことにも繋がり、いつも同じモノを見続ける大人の目は、何も見ないようになっていく。

喫茶店でスポーツ新聞から目を離さずに店員に「ホット」と言うオッサン。生まれて初めて喫茶店に入った瞬間にそんな態度を取っただろうか。毎日同じことをして、慣れて、雑になっていく。

昨日は幡野広志さんのトークを聴きながら、あと何年かで人生が終わってしまうと宣告された人と、突発的な事故にでも遭わない限りまだしばらくは生き続けるだろうと思われる人々との差を感じた。

一昨日は「every day」という映画を観た。倦怠期とも言える若い夫婦。奥さんが交通事故で意識不明になってしまう。ICUにいるはずの奥さんが元気な姿で家にいる。一週間だけ神様から別れの時間をもらい、何でもない時間の貴重さを期限付きで考え、感じ直すという悲しい物語だった。

生きていることは意識せずにしていることだけど、有史以来、全員の先輩が死んでいる。終わりがあると思って生きること、終わりは来ないと思って気にしないこと、どれも人ぞれぞれのスタンスだと思うけど、結果は同じ。

「人は生まれた瞬間にビルの屋上から身を投げている」という言葉を聞いたことがある。地面に届いた瞬間に死んでしまう。ビルの高さという寿命の違いがあるにせよ、生まれたというのは飛び降りてしまったことに他ならない。

せっかくだから素晴らしい動体視力で、地面に落ちるまでの世界を眺めていたいものだ。

俺はずっと写真を撮るよ。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。