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色絵筆の数。

知らない土地に行くと、いつも知らないことに出会う。

たとえるなら、自分が持っていた色鉛筆が増えるような。元々24色しかなかったが、少しずつ増えていく。その色を手に入れたことで描けるモノが多くなっていく。

最初に持っているのが12色の人がいたり、その中でも2色とか1色しか使っていない人がいる。自分はこれが好きだからそれでいいのだと言ったりするが、多様性への無自覚とはそういうことだ。大事なのは、どれだけ厳密に微差を見極められるかだと思っている。

そのお手本になるのが子供で、彼らはすべてを違うモノとして眺めている。カブトムシとクワガタをまとめて「甲虫」と呼ぶことを学んでからはつまらなくなる。効率がよくなる代わりに色鉛筆が減るのだ。

友人のミュージシャンから「息子が自作の意味がわからない歌を歌うので面白い」と聞いたことがある。でも幼稚園に通うようになったら周囲の影響で、よく知られたアニメの曲を歌うようになったそうだ。これはとても残念なことだと思う。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。