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「おいしゃさんごっこ」

ある名の知れた会社のビジュアルがFacebookにアップされていた。町内会の盆踊りのポスターかと思った。

知人なんだから俺に頼んでくれれば、県会議員の選挙ポスターレベルまでは持って行けたのにと残念に思う。それ以上を求めるならもっといいカメラマンとデザイナーは紹介できる。

写真やデザインは「経済という生命」を扱う仕事だ。表現は自由であるけれども、それが他人の命にかかわる場合は別問題。素人が友人の開腹手術をするわけがないのに、「俺、写真撮れるけど、お前の店のポスター撮ってあげようか」とは平気で言う。

誰でも何にでもチャレンジする自由がある、と、はんなりした自己弁護をするのはいいんだけど、それは自分の能力を超えない範囲でするべきだ。他人からお金をもらうのがプロだから、あの店は美味しいとか、高いのにマズイと言われる権利や義務がある。

だから、クライアントの「経済という生命」を扱う医師のように危険な仕事を、民間療法どころか、おいしゃさんごっこみたいにやっているのを見ると、恐ろしいと感じる。

患者も患者で、病気の自覚もなければ、治療代も払いたくないから医師でもない町内の健康オタクに相談するんだけど。

と書いて、「お前もギャラが高いくせにたいしたことないよな」と言われるかもしれないデンジャラスゾーンに自分を追い込みながら、おはようございます。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。