カメラのもたらす違和感。
写真を撮る速度が、地獄のように速くなっている。
見たモノに向かってシャッターを切っただけで高精度なオートフォーカスは完璧な焦点を結んでいる。それは撮影時のストレスと直結しているから速いに越したことはないんだけど、どんどん自分が求める要求が厳しくなっていることにも気づく。
カメラ起動、シャッタータイムラグ、ミラーの戻りを総合するとNikonのD5あたりが最高峰なんだけど、あれでスナップを撮っていると「シャッターを切った少し前」の時間が写っているような錯覚すらある。
俺はオリンピックの競技を撮るわけじゃないから、そこまでのレスポンスは不要。ちょっとモタモタはするけど、総合的には、α9あたりで十分だ。
それらに慣れすぎているのでここ数日、Leicaを持って歩いている。雑なインターフェース、マニュアルフォーカス、パララックスのあるファインダー、最短撮影距離は70cm。ストレスの塊だ。
でも、昔はこのタイミングで何から何まで撮っていたんだよなと思うとすぐに慣れる。俺は「100万円までは誤差」と言いながらカメラを買うけど、それはモノが好きなんじゃなくて、いつもと違う方法への違和感や慣れを楽しむため。
M10は、やっと慣れ親しんだフィルムカメラと同じくらいの厚さになったのでこれは評価したい。
Leicaにしても素晴らしいカメラだとは思っていないし、気持ち悪い愛情やステータスとも無縁だ。ただひたすらいつもとは違うカメラを使って得られる違和感を楽しんでいる。
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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。