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年齢別健康診断おすすめリスト

みなさん、愛犬、愛猫の健康診断をやってますか?

人間と同じように、犬猫の世界にも健康診断があります。
人間ドッグになぞらえて、ドッグドック、キャットドックと言ったりしますね。

病気の早期発見、早期治療開始のためには、症状が無い時期に健康診断を行うことが肝要です。

一言で健康診断といっても、内容は様々です。動物病院によっては、年齢や状況に合わせてコースを選べるところもあります。

そこで、この記事では、犬猫の健康診断について深堀し、

  • 何歳から

  • どのくらいの頻度で

  • どんな内容の健康診断を受けるべきか

などなど、詳しく解説したいと思います。

健康診断の目的

健康診断の目的をハッキリさせておきましょう。
もっとも大きな目的は、当然の事ながら病気の早期発見です。

多くの疾患は、適切な治療を適切な時期に開始することで予後(≒余命)を延長することができます。

例えば心臓病。

犬に多い僧帽弁閉鎖不全症は、ステージB2と言われる段階から治療薬を投薬し始めることで、心臓病によって亡くなるリスクを大きく下げることができると言われています。
そのためにはステージB2に到達するまでに心臓病を見つけてあげないといけませんね。

それが健康診断の役割です。

健康診断で早期発見できるとラッキーな病気

以下、健康診断で早期発見できるとありがたい主な病気をまとめました。


僧帽弁閉鎖不全症
慢性腎臓病
胆嚢粘液嚢腫
高脂血症
腫瘍


慢性腎臓病
肥大型心筋症
高血圧症
尿路結石
甲状腺機能亢進症

発生頻度が高く代表的なものだけピックアップしました。
上記に挙げた疾患以外にも多くの疾患が健康診断によって発見されることがあります。

特に腎臓病や心疾患などは、慢性かつ進行性(基本良くなることはない)の疾患です。早めに見つけて治療開始することで疾患の進行を抑えることが重要となります。

適切な健康診断の頻度は?

犬猫は寿命が短い分、人より速いスピードで老化します。
寿命を15年程度と見積もると、犬猫の1年間は人の4〜6年に相当します。
病気の発症も人よりスピーディだし、進行が速い疾患も多いです。

ということで、おすすめの健康診断の頻度は以下。

5歳未満:2年に1回
5〜8歳:1年に1回
8歳以降:半年に1回

もちろん5歳未満の子でも、理想的には1年に1回健康診断を受けていただくのがベストですが、もっと強く推したいのは、「8歳以降半年に1回の健康診断」です。

8歳を過ぎると、犬猫はシニアの域に入ります。
人でいうと70歳を超えた高齢者。
疾患の発症率が一気に上がってくるお年頃。
1年に1回ではちょっと物足りないなというのが正直な感想です。

「4月に健診を受けても大丈夫でも、半年後に腫瘍が見つかった」なんてことは、ザラですからね。

適切な健康診断の内容

さて、ここからが本日のメイントピックです。
皆さんは健康診断というと、どのような内容を思い浮かべますか?
おそらくは血液検査を想像するのではないでしょうか。
実際のところ、簡単な血液検査で済ませていることが多いように思います。

血液検査ではわからない病気が多い

実は、早期発見したい病気の中で、血液検査によって発見できる病気はごく一部です。

一般的な血液検査の項目では、肝臓や腎臓といった主要な臓器の異常、高脂血症や、糖尿病などの代謝の異常、白血球、赤血球、血小板といった血球成分の異常、などを知ることができます。(※詳しく検査項目を解説したnoteも販売しています↓)

しかし、多くの人が早期発見したいと願う、心臓病や、腫瘍性疾患といった疾患は、血液検査だけでは分かりません。

また、副腎ホルモンや甲状腺ホルモンなどのホルモンの異常に関しては一般的な血液検査ではなく、ホルモン検査をしないと診断できません。

詳しく解説します。

心臓病

犬の心臓病は僧帽弁閉鎖不全症という疾患が最も多く、ついで拡張型心筋症という疾患がよく見られます。

一般的には小型犬に僧房弁閉鎖不全症が多く、大型犬には拡張型心筋症が多いと言われています。

このどちらの疾患も、早期発見には心臓音の聴診が最も有効です。

獣医師が毎回体重計に乗せたあと聴診をするのは、心臓病を少しでも早く発見したいからです。

逆に血液検査で心臓病が見つかることはほとんどありません。
一応心臓病のバイオマーカー(血液検査項目)が存在はしますが、普段の健康診断で積極的に取り入れている病院は少ないです。

バイオマーカーは高価ですし、血液検査で確認するよりも、じっくり聴診する方が、早いし正確です(犬の場合)。

健康診断に連れて行った時、獣医師がしっかりと聴診器を当てて聴診してくれたかどうか、確認してください。
何も異常がなければ教えてくれないこともあるので、結果報告の際に「心臓の音は大丈夫でしたか?」と聞いてみてもいいかもしれません。

エコー検査やレントゲン検査、血液検査はもちろん大切ですが、聴診はそれと同等に重要な検査です。

猫の心臓病は少し話が違います。
猫ちゃんには肥大型心筋症という病気が多いのですが、この病気、心雑音が聞こえないことが結構あるのです。

猫は聴診で心臓病を早期発見するのが難しいと言われるのは、このためです。

では、どうすれば猫の肥大型心筋症を早期に発見できるのか。

実は私もまだ、猫ちゃんの心臓病を早期発見してあげる方法を考えあぐねています。

それこそ心筋バイオマーカーのような、血液検査でわかる心臓病マーカーを導入してみるのもありなのかと思ったり、あるいは、猫の健康診断に心臓のエコー検査をセットにするのもありかと思ってみたり。

獣医の業界では、猫の心臓病を早期発見する技術について、まだ議論が交わされているような状態です。

一つだけ確かなことは、心臓のエコー検査までやれば、肥大型心筋症かどうかすぐに確定診断をつけることができます。

かかりつけの動物病院に相談し、健康診断の際、心臓のエコー検査をお願いするといいかもしれません。

また、トロポニンIという検査項目(心臓バイオマーカーの一つ)によって、心筋細胞の異常を検出することが可能です。

動物病院の中で即時に測定できる項目ではありませんが、外部の検査センターに提出することで、調べてもらえるでしょう。

こちらも、かかりつけ医に聞いてみてください。

腫瘍

腫瘍性疾患を早期に発見したければ、画像検査が必須となります。

もちろん、肝臓に癌ができれば、肝臓の数値が上がり、腎臓に癌ができれば、腎臓の数値が上がることが多いです。

しかし、それ以外の臓器にできた腫瘍に関しては、あまり血液検査で異常値として出てくることがないのです。

もちろん、肝臓などに転移した場合は肝臓の数値が上昇しますが、転移後に見つかっても早期発見とは言えませんよね。

また、肝臓癌や腎臓癌も初期の段階ではサイズが小さく、肝機能や腎機能に影響を及ぼさないので数値が上がりません。

ちなみに、人には癌マーカーという便利なツールがあるので、血液検査や尿検査によって小さな癌を早期に発見することができるようになりました。

犬猫ではまだそこまで技術が発達していないのが現状です。
腫瘍性疾患を早期に発見するために必要な検査は以下の通りです。

  • 念入りな触診

  • 腹部超音波検査

  • レントゲン検査

皮膚や体表、口腔内の腫瘍に関しては、体の外から触ったり見たりすることで発見することができます。
獣医師が念入りに触診をし、外から分かる範囲でしこりがないか確認します。
触診という身体検査ですが、とっても大切な検査の一つです。
しかし、体の内部の腫瘍に関しては、外から見るだけでは到底発見できません。

そこで役に立つのが画像検査です。
肝臓、腎臓、脾臓、胆嚢、膵臓、膀胱、胃腸といった腹部臓器の観察には、超音波検査が非常に優れています。
そして、肺や心臓といった胸部の臓器の観察は、レントゲン検査の得意分野です。

これらを組み合わせることにより、腫瘍性疾患を早期発見することができます。

猫の甲状腺機能亢進症

甲状腺という臓器から分泌される甲状腺ホルモンは、元気の源のようなホルモンです。
甲状腺機能亢進症とは、この元気の源ホルモンが過剰に分泌される疾患です。

「元気の源が増えるんだから、いいことじゃないか?」
と思うかもしれませんが、そう単純ではありません。

代謝が活性化しすぎて食べても食べても痩せていきます。他にも、攻撃性が高くなったり、興奮して呼吸がハアハアしたり、血圧が高くなったり。

怖いのは、肥大型心筋症になるリスクが高まること。
肥大型心筋症になると、心臓のなかで血栓ができて血栓症で亡くなることもあります。
この病気、実は健康診断で見つかることが多い疾患でもあります。
症状がじわじわと出てくるし、一見すると元気いっぱいで健康体に見えるので飼い主さんも気づきにくいのです。

8歳を超えたあたりからは、甲状腺ホルモンの数値を一緒にチェックしてもらいましょう。

ドッグドックやキャットドックのすすめ

おすすめは、高齢期に差し掛かったら、画像検査を含めた健康診断をしてもらうこと。

名前は動物病院によって異なりますが、ドッグドックとかキャットドックなどと呼ぶことが多いですね。
動物病院のホームベージを見ると、おそらく健康診断のページが用意されていると思います。

載っていなくても、頼めばやってくれる病院が多いですから、「そろそろ本格的な健康診断を受けたいです。画像診断も含めた検査をお願いできますか?」と聞いてみてください。できれば、いつもお世話になっている、かかりつけの先生に診てもらえるとよいでしょう。

以下に私がおすすめする健康診断の内容をまとめました。
ドッグドックやキャットドックにいくつか選択肢がある場合は、参考にしていただくとよいかと思います。

まとめ:年齢に応じた適切な健康診断を。

いかがでしたでしょうか。
「うちの子は毎年血液検査を受けてるから大丈夫。」
と血液検査を過信していませんでしたか?

血液検査だけでは分からない病気は沢山あります。

年齢に応じて適切な健康診断を受けることで、予防医療の質はもっと高まります。

愛犬愛猫と健やかな時間をより長く過ごすため、参考にしていただければなと思います。

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