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犬猫のお薬辞典Vol.5〜肝臓のお薬編〜

獣医さんにもらったお薬、どんな作用があって、どんな副作用があるのか、詳しく知りたいなと思ったことはないですか?

インターネットで調べると、添付文書のような堅苦しい説明書きしかヒットしないし、効能書きを見てもナンノコッチャ・・・?って感じで結局よく分からない。

そんな飼い主さんのために、「獣医さんからもらった薬が分かる本」を作りました。

Vol.5は「肝臓のお薬」です。

その他のお薬辞典は以下のマガジンからご参照ください。

このnoteを作った理由は、飼い主さんのアドヒアランスを高めてもらうためです。

先日、以下のようなツイートをしました。

アドヒアランスとは、簡単に言うと「飼い主の治療に対する理解と積極性」です。

獣医師にすべてお任せするのではなく、飼い主さん自身がペットの病気に対して深く理解し、治療に積極的に関わることを、「アドヒアランスが高い」と表現します。

愛犬や愛猫の治療は、基本的にアドヒアランスが高い飼い主さんほどうまくいきます。

だからこそ、私のnoteでは、「飼い主さんが病気や治療を理解するための材料を提供すること」を目標にしています。

アドヒアランスを高める上で非常に重要な課題の1つが、もらった薬を理解すること

正直、一般的な一次病院では、獣医師がインフォームドコンセントの過程で薬の解説を行う時間までは確保できないことが多く、できたとしても浅く概要を説明する程度で終わってしまうことがほとんどです。

このnoteを辞書代わりに持っておいていただくことで、いざ動物病院でお薬を処方されたときに、

  • どんな目的で処方されたお薬なのか

  • どんな仕組みで効果を発揮するのか

  • 今、愛犬愛猫の体の中では何が起きていて、それを薬でどう改善しようとしているのか

  • 服用中、どんなことに気をつければよいのか

など、知りたいこと(+α)が分かるようになります。


このnoteの特徴

薬の効能と、その薬が効果を発揮する仕組みを、飼い主さんにも分かるように噛み砕いて解説しています。

できる限り詳しく、かつ一般の方でも理解が追いつく程度に内容を厳選し、複雑な部分には図解も加えてあります。

副作用や注意事項の書き方も工夫しました。

どの薬にも副作用があるわけですが、「これは特に注意しなければいけないな」という副作用と、「こんな副作用、実際は見たことないなあ」という稀な副作用があります。

このnoteでは、添付文書の丸写しはしておりません。
臨床現場で働く獣医師がよく遭遇する副作用をピックアップし、実際に何に気をつければいいのか、よく分かるようにしています。
※稀な副作用が起こる可能性は0ではないので、「このnoteで触れていない副作用は起きない」という意味ではありません。その点は誤解のないようにお願い致します。

Vol.5は「肝臓の薬」です。

胆泥症や胆のう粘液嚢腫、胆石症、胆管肝炎、慢性肝炎、門脈体循環シャントなど、犬猫に頻発する様々な肝疾患で処方されるお薬を解説します。

お薬の仕組みを理解すると、その病気の病態もよく見えるようになります。現在、肝臓疾患、胆嚢疾患を抱えるペットの看病をされている飼い主さんは、是非購入をご検討ください。

※追記してほしい薬のリクエストがあれば、TwitterのDMやnoteのコメントで教えてください。(購入者は追記分も読むことができます。)
※このnoteは「犬猫のお薬辞典シリーズ」の第5弾です。
※獣医学生さんや動物看護師さんのお勉強にも役立つかと思います。
※返金保証も付けております。内容に満足できなかった方には、全額返金致しますのでご安心ください(note運営事務局の審査が入る点はご了承ください)。

ウルソデオキシコール酸(製品名:ウルソ)

肝臓薬と言えばこの薬。ウルソでお馴染みのウルソデオキシコール酸です。

利胆剤に分類されるお薬で、胆汁の流れを良くし、肝臓を保護する機能を持ちます。

もともとは、熊の胆嚢から作られる漢方薬を起源としており、ラテン語で熊のことを「ウルスス」と呼ぶことから「ウルソ」という命名がされたと伝えられています。

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