上からものを降らす人は一人じゃなかった!?

以前に書いた「上から降ってくるものの正体とは!?」の続編を書こうと思います。
正体がバレてしまいましたが、Nちゃんのお宅の話です。

Nちゃんは階上からバルコニーに落ちてくる髪の毛やゴミに長年悩まされてきた。
SNSで前回の記事を紹介し何か良い対策はないでしょうか?と相談を持ちかけたところ、何名かのフォロワーさんが答えてくれた。
その答えの中で自身も思っていたのは、
「相手に教えてあげる」ということだ。
階上から髪の毛やゴミを捨てる住人は最上階の人だ。
この人のバルコニーには何も上から落ちてくるものがない。
また自分が何気なく捨てたゴミが階下に被害をもたらしているとは思いもしてないはずだ。
これは集合住宅の騒音問題に似ている。
自分の出す音が階下の住人にどれだけ迷惑をかけているか、と同じではないか。

Nちゃんは匿名でメモを書いてポストに入れることにした。
内容は以下のような感じ…   ↓

☆★☆★  突然すみません。階下の者ですが、以前から長い髪の毛やホコリがバルコニーに落ちてきて迷惑しています。貴方が靴下の毛玉を取ってバルコニーから捨てているのを目撃しました。当方は安心して洗濯物も干せない状態です。他の何軒かのお宅にも迷惑をかけているのではないかと思います。バルコニーの外はゴミ捨て場ではありませんので今後髪の毛やゴミを捨てないようにお願いします。☆★☆★

このメモを前もって書いておき、今度髪の毛が落ちてきたらポストに入れよう!と決めた。
大体週一回くらいの割合で落ちてくるのでその日はすぐにやって来た。
その日は職場でも家に帰ってもイライラする事が沢山あり、Nちゃんはイライラと疲れがピークに達していた。
そんな時バルコニーを見たら、またホコリ混じりの長い髪の毛がある。
ため息と抑えようのない怒りが込み上げた。
いつもならしばらく放置する髪の毛だが、その日はポリ袋に証拠品として入れて日付まで記入した。
この証拠品はしばらく置いておくことにする。
そして集合ポストにメモを持って行き、怒りと共に投げ入れたのであった。

ポストインしたものの相手がどう感じるのか気になる。
その前にメモを見るかどうか分からない。
沢山の不用なチラシに混じってしまって捨てられてしまうかもしれない。
以前 注意書きを掲示してもらったが改善しなかったように、相手の目に入らなければ何の効果もないのだ。
また同じように髪の毛が落ちてきたら、今度はドアポストに入れよう!と決めた。
ここでNちゃんは自分の失態に気付いた。
集合ポストに入れた苦情メモのコピーを取っていなかったのである。
何となく覚えているものの、再びポストインすると考えたら
「以前にもメモを入れたのですが…」とまた書かなくてはならない。
再び書くことがないことを祈るのみだ。
そこまでするのなら直接言えば…?と思われるかもしれないが、何せ見たこともない住人に対してそんな恐ろしい事はできない。
このような体験をなさってる方々は多いと思う。


このような集合住宅のご近所トラブルに管理組合は尻込みする。
余程悪質なものなら対処の仕方も違うだろうが、大抵は注意書きを回覧板で回して終わりだ。
これも見てほしい人は見てない事が多い。
「資産価値が下がるから掲示はしない」と言うのなら住民はそれなりの常識ある行動をとらなくてはならない。
非常識な事をする人が住んでいる住宅などすでに資産価値は落ちているではないか。
見かけだけの価値なんてどうだろうか。
知らずに買った人は驚くだろう。
悪い事を隠して売ろうとするのは悪質だとも考える。
此処に住んでいる者全員の意識改革こそが本当は資産価値を上げる事に繋がるように感じるのである。

メモをポストインしてから一週間経った。
Nちゃんは相手のポストが気になり、毎日そっと覗くようになった。
悪気がなくても3〜4cmの隙間から郵便物やチラシが見えるのだ。
そこで気づいたのは、
あれ? もしかして…
このお宅の人は毎日ポストを見ないのでは?
ジロジロ見ている訳ではないがどうもチラシ等が減ってない気がする。
ということは、一週間前に入れたメモはまだ取り出されていないかも!?
あれから髪の毛は落ちて来ない。
全く知らない人だが毎日帰ってこないのかもしれない。
気になる…

そんな事を考えて10日くらい経ったある日、帰ろうとしてNちゃんは自分の住んでる集合住宅を眺めていた。
そこで見たものは…
最上階から洗濯物をバタバタと叩き、何やらゴミを取って外に捨ててるような仕草をする女性だった。
驚いたのはその女性が居たのはNちゃんが苦情のメモをポストインした部屋ではなく、その隣の部屋だったのである。
Nちゃんはギョッ!として、もしかして髪の毛やゴミを落とす犯人はこの女性なのか!?
部屋の位置を見間違って全く関係ない部屋に苦情メモを入れたのか!?
確かにあの日、バルコニーから必死で階上を覗き見した部屋はNちゃんの2つ上の階だったはず。
だがもしも、もしも、罪のないお宅に苦情を届けてしまっていたとしたら……
とんでもなく申し訳ないことをした事になる。

しばらく混乱したNちゃんだがとりあえずお詫びのメモを入れよう、もしかするとまだポストインした苦情メモは取り出されていないかもしれない。
お詫びのメモは以下のような感じ  ↓

☆★☆★以前メモを入れた階下の者です。 先日貴方の近隣の方が洗濯物のゴミを階下に捨てるような行為をしているのを見てしまいました。 もしも前回のメモの内容がこちらの勘違いでしたらお詫びいたします。  大変不快でご迷惑をおかけしして申し訳ございません。 ☆★☆★

このメモを書いて今度はコピーを取って集合ポストまで行った。
そして入れようとしてポストを覗いたら昨日まであった大量のチラシや郵便物は無くなっていた。
しまった!
良くも悪くもあの苦情メモは相手に渡ってしまったのだ。
Nちゃんは空のポストに仕方なくメモを入れた。
またここの住人がポストを見なかったら少なくとも一週間くらいは放置されるだろう。
苦情だけ行ってしまって、もしもこの住人が犯人じゃなかったら…
謝罪のメモの存在を知らずにNちゃんなら怒り狂うかもしれない。


そんな想定外の展開になり、Nちゃんはまたまた悩む事になった。
Nちゃんが考えるに犯人は少なくとも二人いると考える。
一人はNちゃん宅の二階上の住人、もう一人はその隣の住人だ。
二人ともバルコニーの柵に身を寄せて外にゴミを捨てている。
もちろんそのゴミが階下のバルコニーに入り込むとは夢にも思っていないはずだ。
これからどうしようか…
もしもまた大量の髪の毛とゴミが落ちてきたらどこへ言うべきなのか。
とりあえずもう一度管理人さんに相談しようと思った。
そして犯人は二人いるかもしれないと伝え、このような行為をやめてもらうように管理組合に伝えるしかないな、と今のところ思っている。
Nちゃんが一番気持ち悪いのは、大量の長い髪の毛だ。
それさえ落ちてこなければ良しとしたい。

もうご近所トラブルは ほとほと嫌になってきた。
集合住宅は色んな意識や感じ方捉え方が違う人でいっぱいだ。
なので様々な問題がひっきりなし起こる。
昔は騒音で怒鳴り込まれた事もあり、その対処の仕方で人付き合いも変わる。


また続編を書かなければならないかもしれない。
今後のバルコニーが気になる、Nちゃんこと…
あんこ姉さんでした。





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