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優しく、甘く、とろけて、ほんのりしょっぱい。福岡の夜。(1)

女満別空港から中部国際空港、さらに福岡へと乗り継ぎしつつ5時間の空の旅。朝からコンディションは最悪で、激しい頭痛と治りきらない風邪でぐったりして北海道を発った。


飛行機の中でも頭痛が消えず「これあかんなぁ」と思っていたのもつかの間。夜の10時、福岡に到着した瞬間、私は元気になったのであった。

お酒が好きな人間にとって、ここはきっと聖地のひとつ。死ぬほどあこがれていた「屋台」が目の前にある(自力じゃ見つけられなかったけど)。


(夢の国かよ…)


心の中でつぶやいた(たぶん口に出てた)。


ホテルに荷物を置いて、「警固」とかいう怪しい地名にあるスナック「弓と鞠」さんへ。ここにはそう、このラブレター

で紹介した編集者さんがいるのだ。

ちょw初対面がスナックwwwとか言わないで喜んで行けるのが私クオリティ。酒さえあればどこでも良い。


それにしても福岡は暑い。夏の夜かよ。汗だくで簡単に化粧を直して、ホテルからタクシーで弓と鞠さんへ。


階段を上がり、2階にあるスナックのドアを開ける。店の奥から元気に江郷さん登場!空気が一気に変わって、鳥肌が立ってしまった。「イエーイ!」とハイタッチする編集とライター。そこにはいつもお世話になっている(ことを知っているが話したことはない)デザイナーさんもいた。


私はデフォルトで口が悪く、品がない。口癖はクソだし、夫に言わせれば「農家のおっさん」みたいな喋り方らしい。そのせいか(?)お上品な人には嫌われる。


ところがここの空気はどうだろう!上品さは皆無!気遣いは無用!某求人媒体の営業さんさえもこの状態!カーモンベイビー福岡!じゃねぇよwww最高です。


福岡のスナックの流儀「やたらカラオケ」の洗礼を浴びる。かけつけ2杯の水割りウイスキーのちカラオケ。なんだこりゃ。最高かよ。


すでにこの時点で、旅には終わりがある、その紛れもない事実に対し、憂鬱になってしまっていた。


そして深夜3時のあの屋台。私は多分一生この日の出来事を忘れない。あの日本酒の味を、炭火の煙を、福岡の夜の空気を。



2へ続く…

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