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盲 目

ぼやけている
街も車も猫も
ぼやけている
耳元で大きな音が鳴った後のように
体に入ってくる音までぼやけている
唯一あなただけは
柔らかい太陽の光を浴びてるかのように
美しい靄がかかっている
暖かくて陽の気分
あなたが太陽なら私は植物のように
お互い無くてはならない
存在なのかもしれない

身振り手振り話してくれる人は
いるけれどはっきりしない
人間はいつだって必死だ

今日のあなたは
雨が降る前のグレー
衝撃的な音と光が走った
風はまるで面白がっているように
植物の私をついて回る
葉っぱは欠けるし体は傾くし
何より足元が土から抜けそうで
生命の危険を感じる

すると
斜めだった世界が元に戻って
揺らいでいた足元が安定した
絶望的だったキモチがマシになった
見上げるといつもの人が傘をさして
弱ってる体を支えてくれた
「言ったじゃない、気分屋だって」

幻想的に見えた場所は
ただの荒野で
私はただの雑草にすぎなかった
暖かく感じたあの瞬間は
霞んでいたから心地がよかった

            盲 目

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