約束 後編

あの・・・どうしましたか?

男は鼻水と涙でぐちょぐちょになった顔で、私を見てこういった

「女と・・・約束をしていたんです。一緒に行こうと約束を。
でも・・・間に合わなかった・・・(泣)
ちょと来るのに時間がかかってしまって。来て見たら居なくて。
あぁ、もっと無理してでも早く来るべきだった。なんて事をしてしまったんだろう!!
あんなに二人で約束していたのに。一緒に行こうと言っていたのに!

もっとみる

『白い会社』
とにかく何もかもが白かった。ビルの外装や内装はもちろん制服や備品に至るまで、オフィス内の一切合切が真っ白だった。余りに白すぎて壁と天井の境目や自席の位置すら見失いそうになる。業務は各々真っ白な席に着き、一切何もしないこと。つまり会社の存在意義までが真っ白なのだ。

『時代の中のひと』

時代の中の人を知りたくて
時代の扉をノックしたら
「呼んだ?」と出てきてくれた

(この人が時代の中の人かあ…)

感心してしまって眺めていると
「あなたー? どなたかいらっしゃったの?
もうご飯冷めちゃうから早く食べちゃってよ!」
と奥から声がした

(え!? 時代って家族持ちだったんだ…)

更に驚いて言葉を失っていると
「オギャー…オギャー…!」という赤ちゃんの泣き声が扉の奥から響いてきた

もっとみる

同居人は安長則夫48歳。元々寡黙な男だが今日は一層静かな気がする。晩飯はカップ麺。麺を啜る音だけが部屋に響く。ふと食べ終えたカップ麺の蓋の上に安長が爪先立ちになった。「え」驚く俺の前で安長は浮かび上がり、そのまま空飛ぶ絨毯の如くベランダから飛び出していった。それきり彼を見てない…

その率直なところ嫌いじゃない。てか、むしろこっちが好き!
5

コマネチ八幡宮に参拝に出向くと先客がいた。ヨダレクジラだ。絵馬を飾っていたらしくこちらに気づくとそっと会釈をし、ヨダレ海峡へと帰っていった。気になって絵馬を確認してみると『ヨダレ光れ、光れヨダレ』と書いてあった。大変だなクジラの世界も。俺の願いはただ一つ、緑川先輩の縞パンをくれ!

言えなかったが、ずっとそれが欲しかったんだ。ありがとう。
6

綺麗に剃髪された頭部が以前から気になっていた。チャンスがあるとすれば今しかない。さきほどから寡黙に祈祷を続ける三蔵法師の頭にびっしりと細かい汗粒が吹き出ている。不治の病で運ばれてきた娘の生死がかかっているのだ。俺は音もなく近づき、その頭の匂いを嗅いだ。薄ら甘いメロンの香りがした。

わしの夢は「高田純次になること」だったんじゃが、内実的にはほぼ叶ってしまってて次の夢がなくて正直しんどいわあ。あ、「芦田愛菜」になるかな。なんか急に芦田愛菜になりたくなってきた。よしよしそうしよう。そうすりゃよかったんだ。何を悩んでいたんたわしは。こんなに近くに答えがあったのに。

『全部ザラメのせい』

カステラと喧嘩をし、三時間ほど口をきかずにいた。

頭を冷やすため、散歩がてらザラメを買いに町に出た。仲直りのアイテムはいつもそれだった。

帰宅すると、カステラはお気に入りの平皿の上で性懲りもなくふて寝を決めていた。

優しく声をかけるつもりが、カステラのその物言わぬ背中のふてぶしい気配に無性に腹が立ち、私はとっさに買ってきたザラメを思いきりぶちまけると、それをかき集めては一心不乱に奴の小さな鼻

もっとみる

ロビン・フッドの足の指の間から
羽ばたきそこねていた夏の匂いが解き放たれると
我々の鼻の奥が
いっせいにつんとなった

夏が来たのだ

掌編小説『おい、パンツ見られとるぞ』

舌と舌の乱交パーティ、噛み切り注意!!

---ちょっと立ち読み---
 おい、パンツ見られとるぞ。……

掌編小説『おい、パンツ見られとるぞ』

もっとみる
スキありがとうございました~っヾ(@^∇^@)ノ
42