『ガンダム』:メモ:第21話の「号泣」の謎

▼2023年10月31日
主要キャラたちがリュウの死に号泣する場面は、やや大げさで、取ってつけたように感じるが、あれは、彼ら少年たちの「一大転機」だから、あのわざとらしさになっている。つまり、それまでは(ブライトですら薄っすらと)「面倒に巻き込まれた被害者」の意識で、なんとか、大人たちのいる場所まで「逃げ切ろう」としていただけの少年たちが、リュウの死(リュウの死に方も重要。彼は「特攻」で死んでいる)をキッカケに、戦争を終わらせるために、自ら積極的に戦争をすることを覚悟した(腹をくくった)ということを、視聴者にはっきりと示す必要があったのだ。

というのも、もしもこの「一大転機」がないと、「オデッサ」に着いた途端に、少年たちは、そこにいる連邦軍の大人たち(軍人たち)に、ホワイトベースを「明け渡し」てしまうことになるから(僕らはもうやらないと言い出す)。だって、そもそも彼らは「勝手に襲いかかってくる敵から、ただ逃げていただけ」なのだから。「オデッサ作戦」は「正式」な戦争で、それまで少年たちがやってきた「逃避行」とは全く違う。少年たちに「戦争をする覚悟」がないなら、『ガンダム』のお話は、オデッサに着いた時点でオシマイ。

因みに、あの号泣にカイは参加してない(あの場所にはいるけど)。カイが「本気で戦争する覚悟」をするのはミハルが死んだ時。カイは、アムロ、ブライト、セイラ、ハヤトたちよりも、IQが高い印象のキャラなので、彼を「覚悟させる」には、もうひと押し要るということ。

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